「CEATEC」会場で最も長い人の列となった「TOSHIBA GLASS」のデモ

2014年10月14日 11:54

 身につけて持ち歩く小型コンピュータと認識されているウェアラブル端末は、リストウォッチタイプやヘッドマウントディスプレイタイプなど、さまざまなスタイルが登場している。

 2014年10月に開催された「CEATEC Japan2014」で東芝が、メガネタイプのウェアラブル端末「TOSHIBA GLASS」を発表、同社ブースでデモンストレーションを行なった。東芝がウェアラブル端末の開発に本腰を入れたと多くのメディアが伝えたデモ機の体験コーナーは、60分以上の待ち時間にもかかわらず、長蛇の列となっていた。

 「TOSHIBA GLASS」は、プロジェクターのような投影モジュールを搭載したメガネだ。取り外しができる投影モジュールを含むメガネの重量は42gと軽く、装着感は悪くない。映像を映し出すレンズ部分に光を屈折させる特殊な加工を施し、目の前の情景とメガネを通じた通常の映像の両方を右目で確認できる。「TOSHIBA GLASS」の特徴は、「投影モジュールが視界を邪魔しない」「小型軽量で長時間着用できる」メガネとしたことだ。

 この製品は、投影モジュールが着脱可能になっているメガネ型のウェアラブル端末で、情報を「身につける」というコンセプトで開発が進められ、電子機器ではあるが、ファッション性にも配慮したという。投影モジュールを取り外せば、普通のメガネのように折りたためる。

 装着すると、投影モジュールがプロジェクターとなって右レンズに情報を映し出す。デモでは料理中に次の手順や分量を表示したり、サイクリング中に心拍数や天気予報を表示したり、装着ユーザーに必要な情報が映し出される。現状では使用時にはスマートフォンやパソコンとケーブルで接続する必要がある。また、レンズに度を入れることも現時点ではできないという。今後は度付きレンズの採用とワイヤレス化を目指すことになりそうだ。

 事業化としては、当面BtoBの展開をまず想定しているという。担当者の話によれば、警備システムなどの法人向け製品として販売する予定だという。例えば、「TOSHIBA GLASS」を装着した現場警備担当者に、本部からエリアマップなどのデータを送信。現場担当者は、投影モジュールを使ってエリアマップをメガネに投影、実際の現場の様子・情報を確認するといった使い方だ。

 現在のところ細かなスペックなどは公表されていないし、詳しい資料などの用意もない。また、コンシューマ向け事業展開については未定だという。(編集担当:吉田恒)

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