ワイヤレスセンサーネットワーク技術を追求したウエラブル端末を展示した村田製作所/CEATEC
2014年10月10日 22:00
10月7日から千葉・幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2014」で村田製作所は「ワイヤレスセンサーネットワーク」をテーマに掲げて展示・紹介を行なっていた。ブースは大盛況で、ごった返す人の波でブースに展示された1mmに満たないような数々のセンサー見本に近づくことさえ難しかったほどだ。
世界的に「IoT」や「クラウド」というキーワードが注目を集めるなか、村田製作所が「重要なカギ」としたのは、ワイヤレスセンサーネットワーク技術。同社は、ワイヤレスセンサーネットワークの実現に求められる「Wireless Solutions」と「Sensing Solutions」のふたつを中心に出展。さまざまなセンサーや各種通信モジュールとそれらを組み合わせたソリューションを通じて新しい提案を示した。
さまざまな通信規格に対応する同社のワイヤレスソリューション。利用シーンや使用環境に応じて、各種製品を取り揃えたのが特徴といえる。見るべきアイテムは豊富だった。
「Wireless Solutions」は、Bluetooth Smartモジュールとセンサーを搭載し、赤ちゃんを取り巻く環境や生活リズムの簡便に記録し、スマートフォンと連動させ情報を管理する便利なツールとして提案。温湿度をはじめ、体表面の温度、オムツの交換回数などが記録でき、電子母子手帳や医療機関との連携、家族間でのシェアといった活用が期待できるライフ・ログツールといえるシステムだ。
「ウェアラブル/ヘルスケア」「セキュリティ」「構造物ヘルスモニタリング」をテーマに、人の活動量から、住まいやビルなどの建物、さらには橋梁などの大規模構造物に至るまで、さまざまな用途に利用できるセンサーとそれらを応用したデモを紹介。
なかで注目を集めていたのが、小型薄型で高性能な光センサー、フィルム温度センサー、気圧センサーをオリジナルのリストウォッチ型ウェアラブル端末型のデモ機での紹介。人の脈拍や体表面の温度、活動量などの健康データをスムーズに取得でき、病気の予防や健康の維持に向けた活用が期待できる。
CEATEC JAPAN 2014開催前に同社は、この腕時計タイプの端末に使用したセンサー群のなかで、SMDタイプのNTCサーミスタとFPC (Flexible Printed Circuit)を用いたフィルム温度センサーを、この10月から量産をスタートさせると発表。このフィルム温度センサーは、厚み約100μmのFPC(Flexible Printed Circuit)を採用しているため、複雑な構造や狭小空間でも柔軟に配線を引き回すことが可能で、スマートフォンやタブレットPCなどの小型・高機能化に重要な役割を果たすと期待されている。
なお、リストウォッチ型のオリジナルのウェアラブル端末型のデモ機の詳細については、開発者からの技術解説テキストを後日いただけることとなったので、それを待って詳細をレポートできるものと思う。(編集担当:吉田恒)