三菱重工、時速120kmの高速新交通システムを開発 通勤客などの利便性高める 

2014年10月2日 16:42

 三菱重工は2日、従来の新交通システムの約2倍に相当する、時速120kmの高速新交通システムを開発したと発表した。従来の新交通システムは、次世代型路面電車(LRT)やモノレールなどとして都市部で実用化されているが、今回の高速新交通システムは、乗り換えなしで都市部と郊外をつなげることが可能になり、通勤客を始め多くの利用者の利便性を高めることができると期待されている。

 新交通システムは、鉄道とバスの中間に位置する輸送システムと位置づけられ、都市における交通混雑の緩和や環境負荷の低減を図る乗り物として、国内はもとより、各国の都市で導入されている。とくに新交通システムは、鉄道や地下鉄などに比べて路線計画の自由度が高く、建設・運営コストが安いことから、海外では、都市部の枝線や空港路線として導入されるケースが増えている。

 今回開発された高速新交通システムは、新たに開発した高速台車によって、高速化だけでなく、振動・騒音の一層の低減を実現した。また、外観は、スピード感のある洗練されたデザインにし、インテリアデザインも都会的センスのあるものにしたと、同社では指摘している。

 三菱重工は、これまで新交通システムを、空港向けAPM(Automated People Mover:全自動無人運転車両)や、都市内向けAGT(Automated Guideway Transit:自動案内軌条式旅客輸送システム)として、米国、アジア、中東などに納入実績を持っている。今回の高速化により、今後、成長の著しい東南アジアなど新興国の都市への導入を図っていきたいとしている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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