USJがV字回復 8月の入場者数は過去最高
2014年9月22日 13:46
今夏、大阪市此花区のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で、「ハリー・ポッター」の世界を忠実に再現したエリアがオープンした。多くの映画ファンが押し寄せ、ハリー・ポッターの新エリアには入場整理券を事前配布するなど対応に追われた。初日から「ホグワーツ城」を模したアトラクション施設「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」で、センサー異常により乗り物が停止するなどトラブルも発生したが、ハリポタファンの波は衰えることなく、8月の入場者数は前年同月比6%増となり、133万人が押し寄せた。
ハリポタエリアの開業により、それまで4割程度だった関西以外からの客足が6割と大きく伸び、国内だけでなく台湾や香港、豪州などからの外国人客も増加した。来場者の中には、精巧に作られた街並みを目にして、感動のあまり涙を流す人もいる。
2001年にオープンしたUSJは高ペースで集客数を伸ばし、開業初年度で1,000万人を突破した。しかし翌年には700万人台に落ち込み、04年~11年までは700万~800万人台という低い水準で低迷を続けていた。一時は倒産の危機も囁かれたが、小さな子どもも楽しめる人気キャラクターを積極的に採用しファミリー層の心を掴み、12年には900万人以上の入場者数を得て13年には1,000万人にまで回復。年間売上が約800億円にとどまるという状況の中で、約450億円を投じてハリー・ポッターエリアを新設したのは「賭け」とも思われたが、結果は大成功を収めたと言えるだろう。
8月の売上高は160億円で、月ごとに見た場合、過去最高を更新したことになる。売上増となった背景には、入場者数の増加に加えて、入場料を値上げしたことや、ハリポタのエリアでのグッズや飲食店での販売が伸びたことがある。入場者1人あたりの売上高で比較した場合、これまで売上高が過去最高だった開業年の01年8月から1割以上も増加した。
グレン・ガンペル最高経営責任者は、「ハリー・ポッター」に次ぐ新エリアの構想をすでに用意していることを発表。「ハリー・ポッター」で掴んだ客をリピーターに変えるためには投資を継続することが重要だとし、資金の確保のために株式の再上場を検討していることも明らかにしている。(編集担当:久保田雄城)