トヨタの7000円と日経平均の1万7500円が見所に=犬丸正寛の相場展望

2014年9月19日 16:00

  NYダウの最高値更新、日経平均の昨年末高値更新でマーケットに明るさが加わり来週の相場には盛り上がりが予想される。

  とくに、日経平均は昨年の高値を抜いたことでチャート上では、リーマンショック前につけた2007年2月の1万8300円(場中値)までフシはなくなった。早くも、一部大手証券では、日経平均の目標株価を1万8000円から1万7000円へ引き下げたとも伝えられるなど、今後は日経平均の上値目標を探る動きが活発となりそうだ。

  米国のリーマンショック後続けてきた超金融緩和政策は10月で終了し、次はゼロ金利解除が焦点となっている。こうした動きは、米国経済が金融支援に頼らなくても自力航海が可能となったことを意味している。アメリカの金利やドルや株が高くなることは当然といえる。

  そして、次の局面は好景気に伴うインフレ懸念から金利が引上げられ、それによって景気・企業々績がどう影響を受けるかに移っていく。1~2度の金利引上げでは景気・企業々績に影響はないとみるか、あるいは、まだ病み上がりの経済には1度の金利引上げでもダメージとなるか。アメリカの経済、景気、企業々績の体力が試される局面といえる。

  もっとも、金利を上げると言い続けているアナウンスの段階では今のNYダウには大きくは響かないだろう。引上げ超接近まではNYダウは強い展開が続くものとみられる。ましてや、中間選挙を控えているから株は高いのがよいはず。

  日経平均はアベノミクス第1章でつけた高値1万6320円(2013年大納会)を19日、1万6364円と上伸し更新した。

  とくに、主力銘柄の指標的存在のトヨタ自動車が6542円まで値を飛ばし1月6日の年初来高値を更新した。円安を素直に好感した動きといえる。

  トヨタの次の上値のフシは2013年5月の6760円。日経平均が先に昨年高値を抜いてトヨタなどを引っ張った展開だっただけに、今度はトヨタが日経平均に寄与する順番ともいえる。仮に、トヨタが昨年高値を抜いて7000円をつけるなら、日経平均とトヨタ株の比率は、日経平均1に対しトヨタ0.40倍で推移しているから、トヨタの7000円に匹敵する日経平均は1万7500円という計算になる。

  NYダウの動向を横目で睨みながら日本株は上値を試す展開が続くものとみられる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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