14年度の語学ビジネス総市場規模は8259億円に
2014年9月19日 09:30
語学ビジネス市場は、やはりビジネス英語が主流で、2014年度には8259億円に拡大すると予想される。
株式会社矢野経済研究所では、国内における外国語学習に関わるビジネスの調査を実施した。調査期間は2014年4月~7月、調査対象は外国語学校、出版社、電子辞書メーカー、ソフトウェアメーカー、e-learning事業者、通信教育事業者、語学学習教材販売事業者、資格試験運営団体、留学斡旋業者、通訳・翻訳ビジネス事業者等。調査方法は同社専門研究員による直接面談取材および電話・FAX によるヒアリング、文献調査を併用した。
この調査における語学ビジネス市場とは1.成人向け外国語教室市場、2.幼児・子供向け外国語教室市場、3.プリスクール市場、4.幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、5.書籍教材市場、6.語学独習用機器・ソフト、7.電子辞書市場、8.幼児向け英会話教材市場、9.通信教育市場、10.e-learning 市場、11.ソフトウェア市場、12.語学試験市場、13.留学斡旋市場、14.通訳・翻訳ビジネス市場の主な14分野を対象とした。
それによると、2013年度の語学ビジネス総市場規模(主要14分野合計)は前年度比 103.1%の 8089億円(事業者売上高ベース)であった。今後も市場は順調に拡大し、2014年度の語学ビジネス総市場規模(主要14分野合計)を、前年度比102.1%の8259 億円(事業者売上高ベース)と予測した。
周辺ビジネスでは、語学試験市場が TOEIC 受験者増に伴い拡大、留学斡旋市場も文部科学省の留学生倍増計画などの影響で好調に推移し、通訳・翻訳ビジネス市場も企業の業績回復や海外進出等により拡大している。今後も、海外で活躍するグローバル人材育成のための需要は拡大していくと予想している。
2013年度の成人向け外国語教室市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比102.0%の2077億円であった。同市場はビジネス英語習得ニーズが牽引しており、企業研修などの法人での受講や仕事上で語学取得が必要な個人での受講ともに好調に推移した。企業研修においては、一度で多数の受講が可能な講師派遣需要が特に拡大しており、短期間で語学取得が求められる個人受講においては、マンツーマンレッスンを選択する傾向が強い。語学試験対策や短期集中など受講ニーズの細分化も進んでおり、2014年度の同市場規模は前年度比103.0%の 2140億円と予測した。
2013年度の幼児・子供向け外国語教室市場規模は、前年度比 102.5%の952億円であった。同市場においては、早期英語教育熱が引き続き高まっており、文部科学省から英語教育の小学校での教科化の計画等が公表された。英語を中心とした幼児・子供向け外国語教室の受講者は今後も増加傾向にあり、2014年度の同市場規模は前年度比 102.9%の 980億円を予測した。
2013年度の e-learning 市場規模は、前年度比 118.2%の 65億円と大幅に拡大した。スマートデバイスの普及、インターネット環境の整備、SNSの発達等により学習者同士や講師とのコミュニケーションが円滑になったことが、同市場拡大の背景にある。「Skype」を用いた安価なライブレッスンも引き続き拡大を続けており、参入事業者も急増し、競争は激化している。2014年度の同市場規模は、前年度比110.8%の72億円と予測した。
2013年度の留学斡旋市場規模は、前年度比115.2%の 190億円であった。グローバル人材の育成のために、文部科学省は外国人留学生や日本人留学生の倍増を目指すと数値目標を掲げており、大学や官公庁・自治体・各種団体、民間企業等で留学をサポートする動きが強まっている。2014年度の同市場規模も前年度比115.8%の 220億円に拡大すると予測している。(編集担当:慶尾六郎)