犯罪抑止に効果アリ 防犯カメラに見守られる社会
2014年9月17日 00:19
犯罪を未然に防ぎ、事件捜査の際にも威力を発揮する防犯カメラ。事件現場近くの店舗に設置してあった防犯カメラの映像が決め手となり、犯人逮捕に繋がったという報道も最近よく耳にする。現在、防犯カメラは全国で数百万台以上設置されている。その性能向上のスピードは著しく、目的の人物を1秒掛からずに検索し表示するシステムや、遠隔地からスマホを使って操作したり、映像を確認することのできるシステムも開発されている。防犯カメラ設置には当然多額の費用が掛かるが、それでも人の命には代えられない。特に犯罪に巻き込まれやすい子ども達を守るためには、単純な費用対効果の議論だけで済ませるわけにはいかないのだ。
大阪府箕面市は来年春までの間に市立小学校全14校の通学路に防犯カメラを設置することを決めた。設置される台数は750台で費用は約1億5千万円。70メートルあたり1台のカメラがあるという計算になる。設置を決める一つのきっかけとなったのが今年7月、岡山で起きた小学5年生の女児監禁事件である。カッターナイフで脅して連れ去るという非道な犯行は防犯カメラの必要性を改めて認識させるものであった。
無論、防犯が全て機材頼りになってしまっては重大事件を防ぐことはできない。箕面市の例でも、通学路以外の場所で犯罪に遭う可能性は十分に残っている。防犯に関する知識や意識を、子どもから大人まで改めて啓蒙する必要があるだろう。
防犯カメラによる恩恵は大きいものの、どこにいても自分の行動を見張られているような監視社会は確かに気持ちの良いものではない。実際に自宅のすぐそばに監視カメラを設置される立場となれば抵抗を感じるかもしれない。
かつて我が国は「安全大国」と呼ばれた。安全はタダで手に入ると国民の多くが信じていたのだ。たしかに犯罪発生率が他国よりも低いのは事実だが、その反面防犯意識がなかなか育たなかったことも間違いない。
現代の犯罪は手口が巧妙化し、いつどこで発生するかもわからない。防犯意識の向上とそれを担保する環境整備は急務なのだ。大切な命や財産のため、カメラに見守られる社会は今後も拡大していくだろう。(編集担当:久保田雄城)