【どう見るこの相場】日経平均は昨年末高値を前にモミ合う

2014年9月16日 16:15

■景気・企業々績の大きな落ち込みなく消費税10%を実施できるかを注視

  日経平均は、昨年12月30日の大納会でつけた高値1万6320円(場中値)にあと330円に迫ったところでモミ合っている。高値更新前の体力補給的な動きとみるべきか、あるいは高値更新は難しく調整入りとなるのか、足元では、やや強弱感が分かれている。

  昨年末の高値1万6320円は、言うまでもなくアベノミクス第1章における最高値である。9月3日(水)に安倍改造内閣がスタート、アベノミクス第2章は、日経平均終値1万5723円での始まりということである。スタート後、現在までのところ、日経平均では12日の1万5984円が高値で新内閣に対しマーケットは約260円高の評価である。2012年12月26日にスタートした第1次安倍内閣の時のマーケット反応に比べるとかなり物足りない。

  世の常として、「2回目は1回目より与えられる物が大きくないと人は驚かない」といわれることから、アベノミクス第2章に対し、今の時点では、マーケットは大きい期待を抱いていないようでもある。

  第1章で実施した消費税8%は、今のところなんとか成功した。次は、安倍内閣の支持率が高い間に消費税10%を実現させたいようである。「消費税を実施して景気が落ち込んだ場合は対策を打つことは可能だが、実施しなかったときの(財政への)リスクは大きい」という主旨の政府筋発言からみれば消費税10%はなんとしても実施したいようである。

  この点、即ち、消費税10%とした時の景気・企業々績への影響をマーケットは危惧しているようである。今年4月実施の消費税8%の影響で4~6月のGDPは予想を上回る減少となった。しかし、低金利政策以外、特に、景気対策は打たれていない。このため、7~9月期GDP、さらに10~12月期GDPも期待できないのではないかとの見方も漂っている。

  いろいろな成長戦略が陳列されているものの、既に、アベノミクス第1章で顔見せ済みであり新鮮味はない。陳列の並べ変えだけでは反応は期待できない。具体的な展開が求められるところに来ているといえる。

  今回の新内閣の目玉である地方創生も時間のかかることであり即効性を求めるマーケットには大きくは期待できないだろう。

  マーケットは忍び寄る景気悪化の足音の中で、秋の国会において政府が具体的に何を打ち出してくるかを注視しているようである。

  マーケットは、アベノミクス第2章では日経平均の第1章でつけた高値抜けが一番の期待だが、外国人投資家も国内投資家も景気悪化を招かないで消費税10%を実施できるかどうかを見守っているといえる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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