「大きなクルマは偉くない」を宣言した小さなクルマ「デミオ」が、いよいよディーゼルを纏って登場

2014年9月16日 11:46

 9月11日、東京・六本木のミッドタウンで新型マツダ・デミオの発表会が行なわれた。新型デミオは、“大きなクルマほど偉い”“クルマ価値はボディサイズに比例する”というヒエラルキーのブレークスルーを目指したという。

 新型デミオは、マツダの「SKYACTIV技術」や「魂動デザイン」を、市場規模の大きな小型車に投入することで、走る歓びと高い環境安全性能を、より多くのユーザーに提供すると役目を担ったモデルといえる。そのために、新型デミオは、理想的なペダル配置を含むドライビングポジションの設定、あくまでも安全を優先したヒューマン・マシン・インターフェィス(HMI)、質感が高い内外装、人馬一体を標榜する高い運動性能など、クルマとして全方位品質を徹底的に追求したという。

 マツダのデザインテーマ「魂動-Soul of Motion」を小さなボディに凝縮し、躍動感のあるスタイルを実現したのは、大径タイヤをボディ四隅に配置したFF車としては異例の力強いスタンスだ。前輪は従来比で80mmも前進し、フロントオーバーハングの短さはFR車並みとなった。同時に、LED式の4灯ヘッドランプと立体的なシグネチャーウイングで、ひと目でマツダ車だと分かる、独自の端正な存在感を感じさせるデザインだ。

 インテリアのクオリティも高い。コックピットは、開放的で心地よい助手席空間とは対照的にドライビングを楽しむ空間としてレイアウト。インテリアカラーはインストルメントパネル、コンソール、ドアアームレスト等、複数の色と素材を組み合わせた4つのスタイルを設定する。

 パワートレーンには、大方の予想どおり新開発のSKYACTIV-G1.3ガソリンエンジンとSKYACTIV-D 1.5ディーゼルエンジンを設定。SKYACTIV-G 1.3は、全域でトルクを5~10%アップさせ、レブリミット(最高回転数)を高めることで走行性能を上げた。しかも、従来と同等の低燃費を実現している。

 SKYACTIV-D1.5エンジンは、2.5リッター・ガソリンエンジン並みの最大トルク250Nmを達成。燃費性能の向上に貢献する減速エネルギー回生システム「i-ELOOP(アイ・イーループ)」を組み合わせることで、SKYACTIV-D 1.5のマニュアル(MT)車は、ハイブリッド車と軽自動車を除く、内燃機関搭載車として最高のJC08モード燃費30km/リッターを達成した。i-ELOOPシステムそのものも、アクセラなどに搭載しているシステムから5kgの軽量化を図って燃費に貢献している。

 組み合わせるトランスミッションは小排気量車デミオのために新開発した。MTのようなダイレクトな加速感を持つ6速ATのSKYACTIV-DRIVEは、スムーズで力強い発進・加速性能を実現する。MT車には軽快で節度感のあるシルトフィールを持つ6速&5速のSKYACTIV-MTを設定した。

 運転席は、安全性を最優先した新世代HMIを採用し、多くの情報を処理しながら正しい姿勢でドライビングに集中できる「Heads-up Cockpit(ヘッズ-アップ・コックピット)」とした。アクセラに次いでスマートフォンなどと連携、インターネット接続やコミュニケーション機能を移動中にも利用可能なカー・コネクティビティ・システム「MAZDA CONNECT(マツダコネクト)」を採用している。

 安全性能にも不足はない。アクティブセーフティでは、低速走行時の追突事故による被害を軽減するよう支援する「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)」や、走行中に後側方からの接近車両を検知しドライバーに知らせる「ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)」、駐車場などでバック後退する際に接近してくる車両を検知しドライバーに知らせる「リア・クロス・トラフィックアラート(RCTA)」などを組み合わせたマツダの先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を採用する。

 新型デミオは、ボディカラーに新色「ダイナミックブルーマイカ」、「スモーキーローズマイカ」、デザインテーマ「魂動-Soul of Motion」のイメージカラー「ソウルレッドプレミアムメタリック」など全10色を設定。価格は135.0万円~219.24万円(税込み)、月間販売計画は5000台。注目のディーゼル車は、178.2万円~199.8万円(FF車)で、予想どおり200万円を切る価格で登場した。なお、発売開始予定日はガソリン車(FF車)が9月26日、ディーゼル車(FF車)が10月23日、4WD車は12月の予定。(編集担当:吉田恒)

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