ソユーズTMA-12M宇宙船、地球に帰還

2014年9月12日 09:37

 国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた3人の宇宙飛行士を乗せたソユーズTMA-12M宇宙船が9月11日、カザフスタン共和国の草原地帯に着陸し、約169日間に渡るミッションを完了した。

 ソユーズTMA-12Mは9月11日8時1分(日本時間、以下同)、ISSに滞在していたアレクサンダー・スクボルソフ宇宙飛行士(ロスコスモス、ソユーズ船長)、オレッグ・アルテミエフ宇宙飛行士(ロスコスモス、ソユーズのフライト・エンジニア)、スティーブン・スワンソン宇宙飛行士(NASA、ソユーズのフライト・エンジニア)の3人を乗せ、ISSのポーイスク・モジュール(MRM2)を出港した。

 その後、10時30分にスラスターを噴射し、軌道から離脱した。そして軌道モジュールと帰還モジュール、機械モジュールをそれぞれ分離し、大気圏に再突入した。

 帰還モジュールは突入後、ドローグ・シュートを展開し、宇宙船の姿勢を安定させ、続いてドローグ・シュートに引っ張られる形でメイン・パラシュートを展開した。そして耐熱シールドを投棄し、さらに降下を続け、地面と接触する寸前に底部にある固体ロケット・モーターを噴射し、地表に軟着陸した。3人の宇宙飛行士の健康状態は正常とのことだ。

 ソユーズTMA-12Mは今年の3月26日、ソユーズFGロケットに搭載され、バイコヌール宇宙基地の1/5発射台、通称「ガガーリン発射台」から打ち上げられた。予定では、約6時間後にISSとドッキングするはずだったが、スラスターに問題が発生し軌道変更に失敗、2日後の到着となった。ソユーズ宇宙船はもともと、ISSまで2日間かけて飛行をしていたが、昨年のソユーズTMA-08M以来、約6時間で到着する運用が行われており、この「特急便」での飛行に切り替えられて以来、2日かかる飛行プロファイルになったのはこの時が初めてであった。その後、3月28日、無事にISSのポーイスク・モジュールに入港した。

 ソユーズTMA-12Mは、2010年に登場したソユーズ宇宙船シリーズの最新型、ソユーズTMA-Mの12号機にあたる。ソユーズTMA-MはソユーズTMAを改良した機体で、構造材料の見直しや、コンピューターをはじめとする多くの機器が更新されたことで、約70kgの軽量化や、消費電力の削減に成功した。また、より高い精度での軌道投入や、軌道修正が可能となり、さらに事前にISSの軌道を調整すること、打ち上げのタイミングを合わせることといった条件を設けることで、約6時間でのドッキングが可能となった。これにより宇宙飛行士のストレスは大きく軽減することになった。

 現在ISSは、第40/41次長期滞在員のマキシム・スライエフ宇宙飛行士(ロスコスモス、ISS船長)、リード・ワイズマン宇宙飛行士(NASA、ISSのフライト・エンジニア)、アレクサンダー・ゲルスト宇宙飛行士(ESA、ISSのフライト・エンジニア)の3人体制で運用されている。

 また9月26日には、新たに第41/42次長期滞在員のアレクサンダー・サマクチャイエフ宇宙飛行士(ロスコスモス、ソユーズ船長)、バリー・ウィルモア宇宙飛行士(NASA、ソユーズのフライト・エンジニア)、エレナ・セロヴァ宇宙飛行士(ロスコスモス、ソユーズのフライト・エンジニア)を乗せた、ソユーズTMA-14Mが打ち上げられ、再びISSは6人体制になる予定だ。

写真=NASA。

■Экипаж ТПК «Союз ТМА-12М» вернулся на Землю
http://www.federalspace.ru/20910/

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