大成建設と栗本鉄工所、厚みに頼らず振動音を低減するコンクリートを開発

2014年9月10日 18:54

 大成建設と栗本鉄工所は10日、コンクリートの厚みに頼らず振動音を低減する「振動低減中空コンクリート板」を開発したと発表した。

 このコンクリート板では、構造体の床コンクリート内に中空部を設け、そこに特殊な袋に入った粒状体を封入することで、粒状体により振動のエネルギーを損失させる。

 また、粒状体自身が、コンクリート板に質量とバネおよび抵抗による振動系を加えることで、周波数の振動を低減させるTMD(チューンド・マス・ダンパー)の機能を果たすことで、振動を低減する。粒状体を使うことにより、一般的なTMDに比べてより広い周波数帯域で効果を発揮するという。

 これにより、同じ厚さの一般的なコンクリートスラブと比べ、5dB〜10dBの騒音を低減できる。また、振動音低減に必要なコンクリート量が少なくなり、コスト削減や約15%の軽量化を実現できるとしている。

 さらに、粒状体の質量や袋の弾性を調整することで、低減させたい振動の周波数に合わせたチューニングが可能。また、一般の中空コンクリート板と同様の施工が可能だという。(記事:松本 茂樹・記事一覧を見る

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