8月の消費者態度指数、4カ月ぶりに低下 増税や輸入物価高が響く―内閣府

2014年9月9日 16:26

 内閣府が9日発表した8月の消費動向調査(一般世帯、季節調整値)によると、消費者心理を示す消費者態度指数は、前月比0.3ポイント低下し、41.2となった。4月以来4カ月ぶりの悪化である。1年後の物価見通しについても、「上昇する」との回答者割合が増えており、消費税増税や円安による輸入物価上昇を懸念する消費者が増えているとみられる。

 今回の消費動向指数は、8月15日を基準日として、一般世帯、単身世帯合わせ8400世帯を対象とした。有効回答数は5514世帯で、回答率65.6%。

 消費者態度指数を構成する意識指標では、「暮らし向き」指数は前月比0.6ポイントとわずかながら上昇した。上昇は5月以来連続である。「収入の増え方」指数は、同0.6ポイント低下と4月以来の悪化となった。勤労統計調査による給与総額は伸びているものの、消費税増税や円安による輸入物価高で実質賃金が目減りしているためと見られる。

 「雇用環境」指数も、4カ月ぶりに0.9ポイント低下した。「耐久消費財の買い時期の判断」は4月以降改善傾向にあったものの、ここにきて足踏みとなっている。「資産価値」は5月以降改善傾向が続いているが、指数の改善幅は低下した。

 一般世帯における「1年後の物価見通し」に関しては、「2%以上~5%未満の上昇」と見る回答者が4割近くと最も多く、次いで「5%以上上昇する」も25%を占めている。全体として「上昇する」と見る回答者の割合が前月比0.6ポイント増加したのに対し、「低下する」割合は横ばい、「変わらない」割合が0.5ポイント減少した。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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