無人ヘリで上空から放射性セシウムの分布を可視化する技術を開発
2014年9月6日 17:30
日本原子力研究開発機構などは、放射性セシウムの分布を無人ヘリで上空から測定する技術を開発することに成功した。
福島第一原子力発電所の事故以降、効率的な除染のため、広範囲に渡って迅速に放射性物質の分布を把握できる方法が求められていた。
今回の研究では、散乱体となるシリコン・フォトマルチプライヤー・アレイと、吸収体となるアバランシェ・フォトダイオード・アレイを組み合わせたガンマカメラを製作した。このガンマカメラは、標的となる線源のエネルギーが既知の場合には後方の検出器の詳細なエネルギー情報を必要としないエネルギー補正方式を導入しており、これによって角度分解能と検出効率を格段に向上させることに成功し、位置分解能10mでの測定を実現した。
今後はさらに改良を進めることで、位置分解能1m以内の高精度・高位置分解能の放射線量分布測定法が実用化されることが期待されている。
なお、この内容は日本原子力学会2014年秋の大会で発表される予定である。