福島第一でまた汚染水漏れ タンクの連絡弁からRO濃縮水が滴下
2014年9月6日 12:13
福島第一原発でまた、汚染水漏れが発生した。東京電力<9501>の発表によると、4日午後0時4分頃、G4タンクエリアのA5タンクとA6タンクの連絡弁より水が滴下していることを、A4タンクからA5タンクへの水張り作業中の同社社員が発見したという。
滴下している水は淡水化装置で発生した濃縮水であるRO濃縮水で、堰内に留まっており、堰外への流出はないという。現場を確認したところ、連絡弁の弁箱にひび割れらしきものが確認され、4日午後15時の時点でも数秒に1滴の滴下は継続中だ。また、応急処置として滴下箇所をビニール袋で養生し、水を受けている。今後、A5タンクから仮設ポンプにてA4タンクへ水を移送しA5タンクの水位を下げる操作を実施するとしている。
東電は3日には、使用済燃料プール水を採取し放射能分析を行った。その結果、セシウム134は2.1×102 Bq/cm3、セシウム137hs6.4×102 Bq/cm3、コバルト 60は検出限界値未満(検出限界値:7.7×10-1 Bq/cm3)だった。プラントパラメータは有意な変化なしであった。分析結果については、前回と比較して有意な変動がないこと、また、プラントパラメータに有意な変動がないことから、燃料破損等の兆候は確認されていないとしている。
また、同日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認したという。
どうやら、大した事態には至っていないようだが、ちょっとした出来事でも我々国民は敏感になってしまう。福島は東京圏にあるため、2020年の東京オリンピックでの訪日外人への影響も懸念されている。早急な事態の収束を願いたい。(編集担当:慶尾六郎)