NEC、ビッグデータ解析で上水道の漏水状況を検知するサービス

2014年9月5日 14:01

 NECは5日、ビッグデータ収集・分析の最先端技術を利用して上水道の漏水状況を迅速・精緻に検知するという「漏水監視サービス」を同日販売開始すると発表した。

 同サービスは、上水道管に漏水の微細な振動を把握できる通信機能付センサを多数接続し、センサから得られた大量のデータ(ビッグデータ)をクラウドシステムで解析するもの。水道事業者は、漏水発生とその地点を素早く正確に分かりやすい画面上で把握することが出来る。これまでに新潟県柏崎市などで実証を行い、効果を確認しているという。

 また、センサユニットは、マンホール内の消火栓や分岐栓など金属露出部分に、強力磁石で装着するため、脱着が容易。上水道管への設置に特別な工事が不要で、数か月毎に測定位置を変更するなど、柔軟な調査が可能という。センサユニットのバッテリは連続5年間使用できる。

 提供価格は月額50万円からで、今後3年間で、国内外の水事業者を中心に100団体への販売を目指すという。

 NECは2012年10月に、漏水検知分野ので高い技術を持つスイスのGutermann社とスマートウォーターマネジメント分野で協業しており、今回の新サービスは、Gutermann社とNECの技術とノウハウを組み合わせて開発した。

 水道技術研究センターの2011年度水道統計によると、日本の上水道の漏水率は全国平均約5.0%と、世界的にも優れた水準にあるが、10%を大きく超える地域や自治体も数多く存在し、今後は管老朽化進行や熟練保守員の減少などで、一層、深刻化するとみられている。

 一方、現在の漏水調査は、埋設された管路の漏水音を専門保守員が器具を使って耳で確認する方法が主流であり、広大な管路の状態変化をタイムリーに把握するのが困難となっている。漏水検知専用器も販売されているが、事故発生時に現地へ運んで、漏水地点を特定するために使われるのが一般的で、漏水発見のスピードアップが課題となっていた。

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