夢はいつか叶う? 都会生活者の3割が憧れる農山漁村生活 

2014年9月4日 20:41

 内閣府が6月12日~22日にかけて行った世論調査によって、都市部に住む人の約3割が農山漁村地域へ定住願望を抱いていることが分かった。調査対象は全国の成人男女で、1,880人の有効回答をもとに集計された。農山漁村地域に定住してみたいという願望があるかという質問に「ある」と回答した人は8.8%、「どちからというとある」が22.8%で、合計すると31.6%となる。2005年の前回調査時から11%増という結果で、「ある」と回答した割合は女性よりも男性の方が高くなっている。移住希望者の割合は20~29歳が最も多く、将来の計画の一つとして検討しているようだ。

 いつ頃定住を実現させたいかと尋ねると「10年以内にしたい」という割合が最も多く24.9%で、次いで「20年以上先」19.6%、「20年以内」18.0%,「5年以内」16.9%の順となった。また「わからない」という答えも12.4%にのぼり、夢はあるが実現に関しては不透明という現実の難しさも透けて見えてくる。しかし「すぐにでもしたい」という回答も8.3%あり、着々と移住計画を進めているという人もいるだろう。どんなことをして過ごしたいかという問には「地域の人たちとの交流・ふれあい」が53.0%、「自然観察(星空,ほたる,山野草,ホエールウォッチング,イルカウォッチングなど)」45.6%、「地域貢献活動」37.0%、「趣味としての農林漁業」34.8%となっている。

 農山漁村への定住を実現させるにはどのようなことが必要かという質問(複数回答)では「医療機関の存在」を挙げる人が最も多く68.0%となった。次に「生活維持のための仕事があること」61.6%、「居住に必要な家屋、土地を安く購入できること」47.2%の順となっている。移住への意欲はあるものの、生活維持のための収入源の確保がネックとなり、実行に移すのは定年後だと考えている人も多いようだ。地方の人口減を食い止めるためにも、移住希望者に対する住まいの提供や雇用創出は、解決すべき重要な課題となるだろう。(編集担当:久保田雄城)

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