給与総額は5カ月連続増加、17年半ぶりの高い伸び 実質ではマイナス=7月の勤労統計調査 

2014年9月2日 15:58

 厚生労働省が2日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、従業員1人当たり平均所定内給与(基本給及び家族手当等)は、前年同月比0.7%増の24万2,840円となった。2カ月連続の増加である。

 残業代などの所定外給与は1万9489円で同3.3%増加、ボーナス等の特別給与は10万7517円で、同7.1%増となった。その結果、現金給与総額は36万9846円と、同2.6%増加した。給与総額の増加は5カ月連続であり、伸び率は1997年1月(6.6%)以来17年半ぶりの高さだった。ただ、物価変動分を考慮した実質賃金指数(現金給与総額)は前年同月比1.4%減と前年を下回っており、賃金上昇が物価の上昇には追い付いていない。

 給与総額の伸びを業種別に見ると、建設業が8.3%、卸・小売業が5.4%、製造業が5.0%とそれぞれ大きな伸びとなっているのが目立つ。公共事業や民間建設投資、住宅建築などの活発化を反映したものと見られる。また、流通部門の取引き増大も寄与しているようだ。

 労働時間では、総労働時間が150.7時間と前年同月比0.6%増加した。鉱業・採石業、情報通信業、不動産・物品賃貸業などでの伸びが目立った。とくに残業時間など所定外労働時間では、不動産・物品賃貸業、情報通信業などで大幅に増加した。

 常用雇用及び労働異動率の動きを見ると、労働者総数は前年同月比1.6%増加した。このうち一般労働者数は同1.6%増、パートタイム労働者数は1.3%増加した。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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