電子書籍の利用率じわり増加だがやっぱり紙が良いという声も

2014年8月31日 22:01

 スマートフォンやタブレットの普及に伴い、電子書籍を利用する人が増えているようだ。マイボイスコムは「電子書籍」に関するインターネット調査を今年7月1日~5日に行い、約1万件の回答から導き出した結果によると電子書籍(コミックや写真集も含む)を利用している人は20%で、12年に実施された前回調査時15.5%から増加傾向にあることが分かった。「有料で利用することが多い」は前回の2.8%から5.1%に増え、「無料で利用することが多い」も10.6%から12.4%に増加した。

 電子書籍を読む端末としては1位がスマートフォンで32.1%、2位がタブレットで21.2%となっている。電子書籍専用端末での利用は1割程度にとどまり、利便性や普及度合いから考えてもスマホが今後も1位を独走しそうだ。

 電子書籍の利用頻度は「月に1回以下」が最も多く36.1%、次に「月に2~3回」で16.7%と比較的少なく、半数以上が日常的な利用者というわけではなさそうだ。しかし、有料の電子書籍利用者は無料の電子書籍利用者よりも利用頻度が高く、さらに電子書籍専用端末利用者は毎日のように利用している人が多い傾向にある。本をたくさん読むという人にとっては、保管場所に困らない電子書籍は非常にありがたい存在だ。また持ち歩きに便利という意見も電子書籍支持の理由のひとつとして挙げられる。紙の書籍では入手が難しい絶版本でも、著作権が切れた作品を電子版で無料提供している「青空文庫」などで簡単に手に入れることもでき、利用者のニーズも使い方も様々だと言える。

 一方、「今後、有料の電子書籍を利用したいと思いますか」という質問には、「利用したいと思わない」が44.5%を占め、「あまり利用したいと思わない」22.2%、「どちらともいえない」20.8%と続いた。利用に消極的な意見としては「お金を払ってまで読みたくない」「紙の方が読みやすい」「使い勝手が悪い」「規格が統一されていないことが不安」「品ぞろえが悪い」「読みたいものがあまりない」「目が疲れそう」「紙の書籍に愛着がある」などが挙げられた。電子書籍の台頭により紙の書籍の行方が案じられたが、上手く共存する道も開けるかもしれない。(編集担当:久保田雄城)

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