2013年、訪日旅行者が初めて1000万人を超え、今年7月期も記録を更新中 2020年の東京五輪には……

2014年8月30日 17:39

 日本政府観光局によると、2013年通年で日本を訪れた海外からの外国人の数は1036万4000人(前年比124.0%)に達し、1964年に統計を開始して初めて1000万人を超えた。ちなみに、2003年に521万人と500万人超えを記録し、この10年で倍増したことになる。

 また、速報値で2014 年7月の訪日外国人旅行者は前年同月比126.6%の127万人となった。これまで7月として過去最高だった昨2013年の100万3000人を26万7000人上回った。加えて、2014 年 4 月に記録した単月記録である123万1000人を大幅に上回り、単月過去最高を記録した。2014年3月から5カ月連続で月間の訪日旅行者数が100万人を超え、1月から7月までの累計で750万人を突破している。

 外国人の訪日旅行者が増えた理由はいくつかありそうだが、2013年に円安が進み外国人にとって日本への渡航費・滞在費が割安になったことが最大の理由だろう。加えて、円安は買い物を目的に来日する人にとって恰好の材料となった。また、格安航空運賃のLCCの新規運行などが後押ししたと考えられる。

 また、政府がアジア諸国を中心に入国ビザの発給基準を緩和し、訪日しやすい環境作りを進めたことも功を奏した。一昨年あたりから、日本をいわゆる観光立国として官民で訴求した効果が出てきた結果ともいえる。

 昨年、海外から日本にやってきた1036万人の旅行者の内訳を見ると、23.7%の最多の訪日客は韓国からの旅行者。次いで、台湾の21.3%。東アジアから来日した人が6割を占めている。なお、アメリカ合衆国は7.7%で第4位である。なお、前述したビザの発給を緩和したことで、タイ26.0万人(前年比174.0%)、ベトナム5.5万人(同153.0%)と東南アジアから訪れる旅行者が急速に増えている。

 2013年の旅行者世界ランキングで日本は27位。アジア圏では中国が4位、タイが10位、マレーシアが11位で、日本よりも多い旅行者を受け入れている。来日した外国人客が1000万人を超えたとはいえ、首位のフランスの8301万人の2割にも達していない。

 政府は、外国人旅行者に日本を積極的にアピールしていく考えで、今年10月から外国人が日本で買い物をした場合の免税範囲を拡大、食品などにも適用する。東京都内の百貨店や家電量販店では、外国人旅行者のための免税店をオープンさせる動きが増えている。百貨店大手の三越伊勢丹では、三越銀座店に来年早々に大規模な免税店をオープンさせる構えだ。

 政府観光局では、東京オリンピックが開催される2020年には、昨年の2倍、2000万人の観光客が訪れることを目標に掲げている。これに呼応して、2014年3月から羽田空港の国際線発着枠が3万回増加し、年間9万回に増便した。同時に成田空港でも2014年中に3万回の枠拡大となる予定。だが、東京オリンピックが開催される2020年には、「これでも相当に不足」だと言われている。

 東京だけでなく全国の交通機関や宿泊施設、観光地などは、これまで以上に外国人旅行者を受け入れるためのインフラ整備が必要となる。(編集担当:吉田恒)

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