宇宙実験衛星フォトンM 4号機、実験終了 9月1日に地球帰還

2014年8月30日 00:06

 ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)は8月27日、宇宙実験衛星フォトンM 4号機で行われていた実験が終了し、9月1日に帰還カプセルを地球に着陸させると発表した。当初ミッション期間は60日とされていたが、44日間での帰還となる。

 フォトンM 4号機は7月19日に打ち上げられた衛星で、ヤモリや植物の種、微生物や、半導体、材料素材などを搭載。宇宙空間での22種類の実験を実施し、帰還カプセルで試料を回収することを目的としている。

 しかし、打ち上げ直後に衛星との通信に問題が発生し、予定していた運用が始められずにいた。ロスコスモスは7月26日に問題が解決したと発表。しかし、打ち上げ後3日目に行われる予定だった軌道上昇ができなかったため、衛星はロケットから分離された直後とほぼ同じ、高度251 x 549kmの軌道を周回し続けている。

 その後7月29日に、軌道変更は行わず、今の軌道のままで運用を続けることが決定されたことが報じられた。併せて、それによる実験への影響はないことも発表された。29日の時点で、すでに2つの実験が完了したとされる。

 だが、8月1日にロスコスモスのオスターペンコ長官は、22種類すべての実験装置が起動されることは認めたものの、ある1つの実験に関しては、当初予定していた軌道で行う必要があった(つまり現在の軌道では有意なデータが取れない)ことを明かした。計画では高度575kmの円軌道で運用される予定だったため、高度251 x 549kmの軌道では微小重力環境が不安定で、またそもそも環境が想定と異なってしまうため、他の実験でも何らかの影響が出た可能性は高い。

 またオスターペンコ長官はこの時、ミッション期間は当初の予定通り2ヶ月間行われると述べていたが、それもまた実際は覆され、44日間で地球に帰還することになった。理由については明らかにされていない。着陸場所はロシア南部のオレンブルクに設定されている。

■Научная программа «Фотон-М» №4 подошла к концу
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