埼京線痴漢事件、車内ビデオの画像も矛盾。「それでも僕はやっていない」再びの可能性濃厚

2014年8月25日 18:37

【8月25日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

■被害女性が供述変更

石田崇さんが、埼京線内で痴漢を行ったとする迷惑条例違反事件の控訴審(平成26年う113号)の証人尋問が25日10時半から行われた。

その場で、被害者とされる女性が、供述内容を大幅に変更したことが、さくらフィナンシャルニュースの取材で分かった。

10時半より行われた証人尋問には、62人が傍聴券を求める列を作り、当選した41人が傍聴した。

開始前に石田さんの弁護士が被害者を隠す遮蔽物の撤去を申し立てたが河合裁判長に却下された。

主尋問では、50代と見られる検察官が質問した。傍聴席からは、「被害者」の姿は見えない。

検察官 「左の太ももを触っている犯人を横目でチラッと見た」というけれども、何を見た?

被害者 手首?

検察官 手首のほかには何か?

被害者 手首の印象が強いのであまり・・・

検察官 スカートは目に入った?

被害者 はい。

検察官 様子は?

被害者 いつもどおり

被害者は、少し逡巡しながら話していく。そして、主尋問であるにもかかわらず、早くも「ハイライト」が訪れる。

■「手首を見たって、調書に書いてない」

検察官 捕まえるときに手首を見たって、調書に書いてないよね

被害者 はい。

検察官 警察官に聞かれなかったの?

被害者 どーでしょう。調書取っていたのは朝方で3時か4時とかだったんで、眠くて覚えていない。

検察官 ちらっと見たのが2回あったというけれども、田中っていう人が書いた調書には、そうなっていないのは覚えている?

被害者 はい

検察官 調書を読んで聞かせて間違いないといって署名したんだよね。

被害者 はい

検察官 証人(被害者)の説明と違うのは気づいた?

被害者 そのときは気づかなかった。

そして、最大の山場はやはり弁護側の反対尋問

■その調書、違います!

弁護士 調書にはこうなっているんだ。「手首、肩、顔を確認して、この状況をどうかしようと思い、それで捕まえた」

被害者 それ違います。

(場内爆笑)

また、捕まえたときの犯人確認についても、一審の証言を翻した。

弁護士 振り返ったら、(犯人の)手が離れたんだよね。手が離れた瞬間は見たの?

被害者 手が離れたところは見てないです。

被害者はこの日、何回も沈黙し、裁判官から、「質問の意味は分かりますか」と質問されていた。また、最後に裁判官が、調書と法廷での証言が違う理由に尋ねられると、「分からない」と回答した。

次回期日は進行協議期日で、追って指定される。有罪率99%といわれる日本の刑事裁判であるが、被害者の供述が変遷しており、車内ビデオの画像とも矛盾があることから、逆転無罪の可能性もありそうだ。【了】

 山口三尊(やまぐち・みつたか)/1967年、東京都出身。私立麻布高校、中央大学法学部卒業。資格試験予備校講師の傍ら、カネボウ、レックスHD株をめぐる裁判で勝利。カネボウ個人株主の権利を守る会代表、アドバンテッジ被害者牛角会代表、東宝被害者の会代表。不動産鑑定士試験合格。サンスター、サイバード、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)、コージツを相手取った判例上も有名な株式取得価格決定申立事件で本人訴訟で勝訴。少数株主側のキャッシュアウト実務の第一人者。「アドバンテッジ被害牛角株主のブログ」(http://blog.livedoor.jp/advantagehigai)より本人の許可を取った上で転載。

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