村田製作所、米電子部品メーカーを買収
2014年8月25日 09:35
今後ますます需要が増すものとみられるスマートフォン(多機能携帯電話)用の電子部品、そうした需要の伸びを見越してか、電子部品製造の村田製作所<6981>がアメリカの電子部品メーカーの買収を発表した。
23日、村田製作所が、携帯電話やスマートフォン用電子部品大手の米ペレグリンセミコンダクター(カリフォルニア州)を4億7100万ドル(約489億円)で買収すると発表。米ペレグリンセミコンダクターはスマートフォンの高速通信機能部品の世界大手であり、村田製作所としては、買収することにより取り扱い部品のバリエーションを広げ、競争力を高めたい考えだ。買収の手続きは10~12月中、もしくは来年初めに完了する予定。
米ペレグリンセミコンダクターは米ナスダックに上場。2013年12月期の売上高は2億ドル。高速通信機能部品を主力商品としている。今回の買収にあたり村田製作所は1株あたり12.5ドルの金額を提示。米ペレグリンセミコンダクターの臨時株主総会で株主から過半数の賛成を得られれば、10~12月中にも買収は完了する。
現在の米ペレグリンセミコンダクターの最大の商品供給先は村田製作所であり、村田製作所はこうして買収することにより、電子部品の内製化を行い、米アップルや韓国のサムスン電子などに一括で部品を供給することができるようになる。
日本の電子部品会社と、アメリカや韓国の企業間との競争は激化の一途を辿っており、競争力強化のために今後もこうした合併・買収(M&A)の傾向は強まるものとみられている。
村田製作所の14年3月期の連結売上高は、前年比24%アップの8467億円であり、営業利益は2.1倍の1259億円という結果であった。そのうち、売上高の半分以上を高速通信機能部品占めており、主力商品となっている。なかでもスマートフォン向けの高層通信機能部品は世界でも約4割のシャエをほこっており、村田製作所としては、今回の買収により新興国で急増している需要などを取り込みたい考えだ。(編集担当:滝川幸平)