ビッグバン後の初期宇宙で形成された巨大質量星の痕跡を発見―国立天文台など

2014年8月24日 18:13

 国立天文台などによる研究グループは、初期宇宙で形成された巨大質量の初代星によって作られたと考えられる星を発見した。

 ビッグバン後、水素とヘリウムのガスから生まれ初代星は、天体形成や元素合成といった点で重要な意味を持つ。初代星の中には太陽の100倍以上の質量を持つものもあったと考えられているが、これまで天の川銀河の中からは見付かっていなかった。

 今回の研究では、すばる望遠鏡を用いて天の川銀河の初期に誕生したとみられる小質量星の詳しい元素組成を測定したところ、これまでになく特異な元素組成を持つ星を発見した。鉄の組成は太陽の300分の1程度、炭素やマグネシウムの組成は太陽の1000分の1以下であり巨大質量の初期星の爆発によって作られたと考えられる。

 研究チームの青木和光氏(国立天文台准教授) は、「巨大質量星が多数存在したのであれば、次世代超大型望遠鏡TMTなどによる遠方銀河の観測でその集団を直接観測できる可能性も出てくるので、いろいろな方法での研究の進展にも期待しています」とコメントしている。

 なお、この内容は8月22日に「Science」に掲載された。

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