アンチウイルスが死んだとして、今後はどうなる?

2014年8月23日 14:29

本家/.「Ask Slashdot: How Dead Is Antivirus, Exactly?」より Symantecは5月にアンチウイルスの死を宣言し、そこから利益を得られるとは考えていないことを明らかにしている。競合他社からは追随する意見もあれば、無料でメディアの注目を引きたいだけではないかという意見もあった。報道ではアンチウイルスの効果が非常に低いことを示すデータが数多く出ている。特筆すべき例としては、アンチウイルスソフトウェアがスパイウェア「Zeus」の亜種の40%しか阻止できないというデータもある。マルウェア作者とセキュリティー企業の戦いは終わることはなさそうだ。

一方、専門家の意見では、アンチウイルスソフトウェアはかなり前から低調であり、驚くにはあたらないといったものもある。実際、アンチウイルスソフトは万能薬ではない。残された疑問は、アンチウイルスは現在のセキュリティーソリューションでどのように機能すべきなのかという点だ。保護の重要な部分となるべきなのだろうか、わかりやすい脅威や既知の脅威のみを阻止するだけのものとなるべきなのだろうか。

脅威だけではなく、パフォーマンスに与える影響も問題だ。プロセッサーやディスクアクセスも高速化しているが、アンチウイルスが必要とする処理能力もどんどん増加している。定期的なアップデートや完全スキャン、リアルタイムスキャンなど、アンチウイルスが完璧を目指す限り、コンピューター使用時の生産性は大きく低下する。この状況は近いうちに変わることはなさそうなので、受け入れるしかない。実際のところ、今後はどうなっていくのだろう。ワークステーションから工業用の自動化システムまで、すべてを移行することなど可能なのだろうか。Windowsマシンでホワイトリストによる保護を使うのが正解だろうか。それとも素晴らしい保護機能が統合された新しいWindowsをMicrosoftが作ってくれるのを、ただ期待して待つしかないのだろうか。他に何か良い方法があるだろうか。

 スラッシュドットのコメントを読む | セキュリティセクション | セキュリティ | IT | Slashdotに聞け!

 関連ストーリー:
シマンテック曰く、「ウイルス対策ソフトウェアはもう死んでいる」 2014年05月07日
Microsoft Security Essentials、39%のマルウェアを検出できず 2013年12月22日
セキュリティーソフトウェアのアップデート、数千台のコンピューターを動作不能に 2013年04月20日
Kasperskyのウイルス対策ソフト、誤ってWindows XPマシンのWeb接続をブロック 2013年02月07日
Microsoft Security Essentials、2回連続でAV-TESTの認定を逃す 2013年01月20日
トレンドマイクロのセキュリティソフトがmicrosoft.comをマルウェア配布サイトとしてブロックしていた 2012年12月26日
Microsoft Security Essentials、AV-Testの認定を逃す 2012年12月02日
Windows 8、過去6か月に検出件数の多かったマルウェアの15%をブロックできず 2012年11月11日
無料のアンチウィルスソフト、どれが一番? 2012年09月27日
Sophos、自社製品をマルウェアと誤検出 2012年09月22日
トレンドマイクロの誤検知、フリーソフトの開発を停止に追い込む 2012年07月11日
Aviraが自分自身をマルウェアと誤検出 2011年10月31日
Microsoftのセキュリティ製品、Google Chromeをマルウェアと誤認識 2011年10月02日
ほぼ全てのウィルス対策ソフトウェアに「有害なプログラムの挙動を検知できない」脆弱性あり 2010年05月11日
マルウェア開発者向けのウイルスチェックサービス 2010年03月29日
100 体のマルウェアでセキュリティソフトを比較してみた 2010年03月18日
2009 年版ウイルス対策ソフト性能調査レポート、公開中 2009年12月28日
トレンドマイクロのサイトでウイルス感染のおそれ 2008年03月12日

 

関連記事

最新記事