【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】暑いからこそ適度の運動の勧め

2014年8月16日 14:39

 白寿の方の「感謝・生きがいと好奇心、毎日1万5千歩の散歩(4~8千歩か40分散歩)」を以前に紹介させて頂きましたが、多くの方々から「参考になった」や「毎日の散歩は無理」とのご意見を頂きました。

 この暑い時期に毎日の散歩を継続すると熱中症になる可能性もあり、私は患者さんに積極的にはお勧めしてはいません。また、熱中症にならなくてもその前段階の軽度の脱水症になります。脱水症になるだけで、糖尿病や心臓病などの持病がある方は、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な病気を発病し易くなります。持病がない方でも、自分自身の体調とよく相談しながら、ゆっくり体を動かして下さい。

 しかし暑いからといって運動や活動量が低下すると、70歳からは顕著に全身の筋力や持久力が低下してきます。一般的に、70歳から男性では年間3~4%、女性は2.5~3%/年の筋力が低下するといわれています。

 加齢に伴う筋肉量の病的減少を医学的には「サルコペニア」と呼んでいます。サルコペニアの原因は、加齢・活動・栄養・病気があります。心不全や慢性腎不全などの病気や加齢を除けば、筋力維持には平素の活動と栄養が重要です。食事の摂取量減少(栄養低下)が全身筋力や持久力低下を引き起こし、逆に全身筋力や持久力低下が食事摂取量の減少をまねきます。

 この両者の悪循環から、全身の廃用性筋萎縮が引き起こされていきます。廃用性筋萎縮から起立性低血圧、呼吸機能の低下を引き起こし、最終的には老衰に陥ります。

 私の患者さんで書道や絵画がプロ級の腕前の方も、持病の肝臓病ではなく運動不足や活動量低下からの廃用性筋萎縮から寝たきりになった方を何人か診てきました。夏の時期に一端中止した運動を、秋から再開し元の筋肉量に回復させるのは非常に時間を要します。涼しい朝・晩などで1日40分の散歩を目標に、水分を適時摂取しながら少しでも体を動かし「サルコペニア」にならないように努めて下さい。(自衛隊中央病院消化器内科部長)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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