多言語対応スマホアプリで外国人観光客の満足度アップ?
2014年8月9日 21:38
外国人観光客に向けスマホを活用したサービスが注目されている。
今年6月に国内18件目の世界文化遺産に登録された群馬県富岡市の富岡製糸場は、正式決定前から来場者数がうなぎのぼりに増加。4~7月の4カ月間で34万350人が訪れ、過去最高だった昨年度をすでに更新している。想定を大幅に超える来場者数にガイドが不足気味となっており、中でも外国人観光客への対応が課題とされていた。
そこで富岡製糸場はスマートフォンを用いて、無料の音声ガイドサービスを導入。入り口に2次元コードを設置し、自分のスマホをかざして読みこむことで誰でも利用できる。日本語、英語、フランス語、中国語、韓国語での対応が可能で、施設の歴史や特徴について詳しい解説を聞きながらゆっくりと見て回れるということで好評を得ている。またスマホを持たない人には貸し出し用音声ガイド機を1台200円で用意している。
外国人観光客が多く訪れる京都でも、スマホは有効に活用されている。2013年9月17日からソフトバンク<9984>が手掛ける観光クラウドサービス「Japan 2 Go!(ジャパン・トゥー・ゴー)」によって配信されているのが「おおきに京都」だ。京都市、長岡京市、八幡市内の商店街組合などの49団体が参加している地域情報化推進団体「KICS」の加盟店、約1,300店舗をスマホアプリで紹介している。
言語は日本語・英語・中国語・韓国語に対応し、GPSを用いた地図ナビゲーション機能で京都の情報を提供する。カメラをかざすだけで目の前の地域情報を画面上に表示することができ、行きたい場所を選択して観光モデルコースを作成することも可能だ。
また日本の玄関口となる空港でも、外国人観光客のスマホ利用をサポートする取り組みが行われている。静岡空港では7月から、外国人観光客が自分のスマホで日本の通信サービスを利用できるように差し替え用SIMカードの販売を開始。カードは2種類用意されており100メガバイトまでが3,000円、500メガバイトまでが5,000円となっている。5分ほどで設定が完了し、NTTドコモ<9437>の高速通信サービスLTEが使えるようになる。東京五輪開催に向けて増加し続ける外国人観光客にスマホを積極的に活用することで、観光における満足度を下支えすることが可能となるだろう。(編集担当:久保田雄城)