今年上半期は初の経常赤字 財務省の国際収支速報
2014年8月8日 14:46
財務省が8日発表した今年上半期(1-6月)の国際収支(速報)によると、モノやサービスなどの総合的な取引状況を示す経常収支は、5075億円の赤字となった。経常赤字は、統計として比較可能な1985以降、上半期として初めてである。赤字幅としても過去最大の金額であり、2013年下半期に続く2半期連続の赤字である。火力発電用燃料の高水準の輸入で、貿易収支の赤字幅が拡大したことが要因の一つ。
経常収支のうち、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は6兆1224億円の赤字である。貿易収支の赤字は、6半期連続で、半期ベースの赤字幅は2013年下半期の5兆3465億円を上回る過去最大である。
旅行や物流などのサービス収支は1兆5780億円の赤字だった。前年同期に比べ赤字幅を拡大した。
海外との利子や配当のやり取りを示す「第一次所得収支」は8兆3226億円の黒字だったが、海外への無償資金援助などの「第二次所得収支」が1兆1397億円の赤字となった。
同時に発表した6月の経常収支は3991億円の赤字となり、単月としては5カ月ぶりの経常赤字である。貿易収支は5371億円の赤字(前年同月は165億円の黒字)で、貿易赤字は12カ月連続となった。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)