京大、正直者と嘘つきの脳の働きの違いを明らかに
2014年8月7日 19:35
京都大学の阿部修士特定准教授らによる研究グループは、正直者と嘘つきは脳の働きに違いがあることを明らかにした。
人が嘘をつくかどうかは個人差があるが、なぜそのような個人差が生まれるのかは明らかになっていなかった。
今回の研究では、脳活動を間接的に観測することのできる機能的磁気共鳴画像法(fMRI)と嘘をつく割合を測定する心理学的な課題を使って、正直さに関する脳の仕組みを調べた。金銭報酬に関わる2つの課題を実験参加者に受けてもらったところ、側坐核の活動が高い人ほど嘘をつく割合が高いこと、そして側坐核の活動が高い人が誠実な振る舞いをする時には背外側前頭前野の活動も高まることが明らかになった。
阿部特定准教授は、「今回の研究では脳の側坐核のはたらきと、正直さの個人差が密接に関連していることが明らかとなりました。ただし、側坐核の活動が高いからといって、その人は嘘つきである、と判断することはできません。(留略)今後の研究を通じて、人間が嘘をつく生物学的なメカニズムをさらに追及していきたいと考えています」とコメントしている。
なお、この内容は「Journal of Neuroscience」電子版で公開された。