生殖細胞にオスとメスの違いを生み出す新たな仕組みが明らかに
2014年8月6日 15:16
基礎生物学研究所の田中実准教授らによる研究グループは、性決定遺伝子とは別に、性によって細胞の増殖に違いを与える仕組みを明らかにした。
ヒトやメダカの受精卵は、Y染色体という性染色体をもっているとオスの身体に、Y染色体がないとメスの身体に作られていく。その際、生殖腺の性分化が始まってから、その影響を受けて生殖細胞が卵になるか精子になるかが決められていくと考えられていた。
今回の研究では、メダカの始原生殖細胞で発現する遺伝子にオス・メスの違いを発見し、この始原生殖細胞はオスとメスで分裂頻度に差があることが分かった。さらに、始原生殖細胞の性決定遺伝子を抑制したところ、この遺伝子の発現性差には影響がなかったため、Y染色体とは別の仕組みによって遺伝子発現差が生じていることが示された。
なお、この内容は「Development」に掲載された。