三菱樹脂、アルミナ繊維の新ラインを増設 自動車排ガス処理装置の需要増に対応

2014年8月5日 22:26

 三菱樹脂は、同社坂出工場(香川県坂出市)でアルミナ繊維「MAFTECマフテック」の製造設備の増設を決定、着工したと5日発表した。「MAFTECマフテック」は1600度を超える高温環境下でも長時間の断熱性能やクッション性を維持することが可能とされている。そのため、製鋼用断熱材や、自動車の排ガス処理装置用途の触媒コンバーター及びDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター:ディーゼルエンジンから排出されるスス状物質の浄化装置)のサポート材として需要が高まっている。

 同社のアルミナ繊維は、坂出工場及び直江津工場(新潟県上越市)で生産が行われており、世界シェアは約40%に達している。近年、各国では、排ガス規制強化の動きが強まっており、自動車排ガス処理装置の市場ニーズが世界的に増大している。三菱樹脂はそうした市場拡大に対し、これまでは現有の生産ラインの能力増強等で対応を図ってきた。しかし、現在の生産能力(年間約6000トン)では、2015年度にも限界になると見込まれている。そのため、今回、生産ラインを増設することにしたもので、竣工は2015年春を予定している。

 増設工場に関しては、既存のインフラを活用することにより、工期を短縮でき、市場の旺盛な需要に迅速に対応できるとの判断から、坂出工場に決定した。

 アルミナ繊維の需要は、今後とも増大すると予想され、同社はマーケットの状況を見ながら製品の安定供給の観点から、更なる増産の検討も行っていく方針である。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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