7月の軽自動車販売台数、13カ月ぶりに減

2014年8月4日 10:12

 自動車業界の大きな悩みの種となっているのが、若者の車離れだ。かつて車は一種のステイタスシンボルであり、マイカーの購入はマイホームの購入と同じく、人生における一つの大きな目標であった。しかし昨今の不景気の影響、またそれに伴う先行きの不安定さからマイカーを持たない、持つ必要がないと考えている若者が急増。そうした風潮が自動車業界を苦しめ続けている。

 しかしそうしたなか、軽自動車の販売については4月の消費税増税後もその販売台数を堅調に伸ばすなど、好調さを見せていた。今年の6月まで12ヶ月連続で前年を上回り、自動車業界の希望の光的な存在であった。しかし7月、その軽自動車の販売に陰りが見え始めた。

 1日、全国軽自動車協会連合会が発表した7月の軽自動車新車販売台数(速報)によれば、前年同月比7.1%ダウンの17万4374台で、13ヶ月ぶりに前年を下回ることとなった。4月の消費税増税前に受注が増加し、4月以降の引き渡しにより販売が増加する見込みであったが、その見込み通りには推移せず、反動減の影響が徐々に表れ始める結果となった。

 7月の軽自動車の新車販売を車種別に見てみると、乗用車は前年同月比7.5%ダウンの14万686台であり、13ヶ月ぶりに前年を下回った。貨物車は前年同月比5.8%ダウンの3万3688台で、4ヶ月連続のマイナス。また貨物車のうち、ボンネットバンは前年同月比18.2%ダウンの1817台で5ヵ月連続でのマイナス。またキャブオーバーバンは前年同月比6.9%ダウンの1万5375台で2ヶ月ぶりのマイナスとなった。そしてトラックは前年同月比3.1%ダウンの1万6496台で、2ヶ月連続でのマイナスとなった。

 また同日、日本自動車販売協会連合会も軽自動車以外の7月の新車販売台数を発表。それによれば、前年同月比0.6%アップの28万5886台であり、4月の消費税増税後初めて前年を上回ることとなった。しかし軽自動車を合わせた全体では前年同月比2.5%ダウンであり、プラスに転じた6月から一転して、再びマイナスとなった。

 増税後、軽自動車のなかでも、特に価格の安い車種を購入する人が増えているという。今後こうした傾向は、ますます強まっていくとみられている。すでに増税前の受注残もほとんどなくなっており、今後ますます自動車業界の苦難は続くものとみられる。(編集担当:滝川幸平)

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