スマホ約1000個の部品に占める、メイドインジャパンの割合は?
2014年8月2日 19:21
我々が普段何気なく使っているスマートフォンや携帯電話。その中には、当然ながら、最先端の技術が所狭しと詰め込まれている。言うまでもなく、スマートフォンや携帯電話は電話をするための機械だ。本来ならば、通話機能があればそれで充分なはず。ところが、メール機能が付き、カメラ機能が付き、インターネットに接続できるようになったり、テレビ放送が見られたり、電子マネーの決済端末になったり、どんどんと機能が拡張されていった。当然、それに伴って内蔵する部品も増えていく。しかし、それだけ機能が増えているのにも関わらず、サイズや重量の変化はほとんどみられない。それどころか、機能が増える度に、小型・薄型・軽量化・省エネ化が図られている。これはひとえに、部品メーカーの努力の賜物といえるだろう。
スマートフォンには、一台あたり約1000点近くの部品が用いられている。その中でも、もっとも多くの割合を占めているのが、コンデンサ、抵抗器、インダクタ、フィルタなどの受動部品と呼ばれるものだ。そして、この受動部品の多くを製作しているのが日本の部品メーカー。今や、日本の部品メーカーが供給する電子部品なしに、世界のスマートフォン市場は成り立たないと言われている。
例えば、極小化技術に長けているのがローム株式会社だ。同社は、2013月9月に世界最小部品シリーズRASMID(ラスミッド)を発表。これは、ロームオリジナルの新工法で開発されたもので、最初に発表したチップ抵抗器では、サイズにして0.3mm×0.15mmと目視では砂に見えるほどである。
直近では7月15日にも、スマートフォンやウェアラブル機器など小型機器の電流検出用途に最適な低抵抗チップ抵抗器「UCR006」の開発を発表した。同製品は電子機器の電圧変動を素早く簡単に検出するために必要な電子部品。スマートフォン内部には100 を超える抵抗器が使用されているため、用途に応じて小型化だけではなく省エネも求められていた。
極小・省エネ部品のロームだけでなく、電気を貯めるセラミックコンデンサを開発する村田製作所やTDKのほか、地図と方位を連動させるデジタルコンパスの分野では、旭化成製のものがほとんどの機種に搭載されているし、スマートフォン端末のフレキシブルプリント基板に張る「電磁波シールドフィルム」の世界シェアの8割以上を日本のタツタ電線が押さえている。また、内装だけでなくスマートフォンの多層基板の最終表面処理メッキ薬において、世界シェアの7割強を担っているのも日本の上村工業だ。
現在世界中で爆発的に普及しているスマートフォンやタブレット、ウェアラブル機器などの多くは、日本のものづくり企業の、技術力の結晶とも言うべきものだといっても過言ではないだろう。中国や韓国の携帯電話メーカーに押されて、日本の携帯電話メーカーの不振が報じられているが、その一方で内蔵の電子部品が世界のトップを走り続けているというのは、なんとも頼もしい限りだ。(編集担当:石井絢子)