東大分子生物学研究所における論文不正問題、調査委員会が不正を認定

2014年8月1日 23:36

あるAnonymous Coward 曰く、 2012年に東京大学分子細胞生物学研究所・加藤茂明教授(当時。2012年3月に辞職)の研究室関係者が発表した論文24点について不正行為が存在するとの申し立てがあった件について、調査委員会による調査結果が発表された(毎日新聞東大の発表)。

 調査報告によると、2名の研究者が論文において捏造・改ざんを行い、この2名に加え別の1名も捏造・改ざんに協力したり、調査妨害的な行為を行ったとされている。不適切な画像を含むと判断される論文は51本にものぼり、そのうちまず5本については不正行為が認定されたとのこと。

 また、「研究室の相当数の者により、不正行為や画像の貼り間違い等の不適切な行為が多数発生している」とのことで、これは著名学術誌への論文掲載を過度に重視し、「そのためのストーリーに合った実験結果を求める姿勢」が要因の1つだとされている。

 現時点では、加藤氏自身による論文において捏造や改ざんはなかったとされているが、「強圧的な態度で不適切な指示や指導を日常的に行った」としてその責任が問われている。また、加藤氏は日本分子生物学会において研究不正防止を目指すワーキンググループのメンバーを務めていた点も問題視されている。

 当時でもこの事件は非常に衝撃的だったが、その後より衝撃的なSTAP細胞事件が起こるとは誰も予想していなかっただろう。この事件を教訓にしておけば、STAP細胞事件は防げたのではないだろうか?

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