宇宙実験衛星フォトンM 4号機、軌道を上げずに運用継続
2014年7月31日 10:21
ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)は29日夜、微小重力実験衛星フォトンM 4号機の運用に関して、安定した運用が続いているとする公式の声明を発表した。
フォトンM 4号機は、今月19日に打ち上げられた衛星で、ヤモリや植物の種、微生物や、半導体、材料素材などを搭載。宇宙空間での実験を実施し、帰還カプセルで試料を回収することを目指していた。しかし、打ち上げ直後に衛星との通信に問題が発生し、予定していた運用が始められずにいた。
ロスコスモスはその後、26日に問題が解決したと発表。しかし、打ち上げ後3日目に行われる予定だった軌道上昇ができなかったため、衛星は現在もロケットから分離された直後とほぼ同じ、高度251 x 549kmの軌道を周回し続けている。
これについて、ノーヴォスチ・ロシア通信が29日に報じたところによれば、軌道変更は行わず、今の軌道のままで運用を続けることが決定されたという。また、それによる実験への影響もないという。
ロスコスモスが29日に発表した声明では、すでに2つの実験を完了しており、現在も18の実験が実施中であるとされる。だが、軌道に関しては触れられていない。
フォトンM 4号機は、計画では高度575kmの円軌道で約2ヶ月間運用されるはずだった。現在の軌道で運用を続ける場合、高度は十分なことからミッション期間に関しては達成できると思われるが、一方で船内の微小重力環境は不安定になるため、いくつかの実験に何らかの影響が出る可能性は否定できない。
■Космический аппарат "Фотон-М" №4 устойчиво работает на орбите
http://www.federalspace.ru/20807/
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