USJ「ハリポタ」オープン 関西への経済効果は10年で5兆6千億見込む
2014年7月26日 20:05
7月15日、大阪市此花区にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で、新エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」が開業した。初日には、誘導ミスや一部乗り物の停止などのトラブルもあったものの、オープン前から3000人が行列を作るなどの賑わいを見せた。
「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」はUSJの年間売上高の半分にあたる約450億円をかけて建設された、敷地面積約4万平方メートルの新エリア。ホグワーツ城をはじめとした映画ハリー・ポッターの世界観を再現し、2つの巨大アトラクションが目玉となっている。他にも原作ゆかりの食べ物やアイテムを楽しめるダイニングやショップが満載だ。USJでは同エリアのヒットにより、年間来園者数を昨年度の1000万人から1200万人へ増加させることを目標としている。
この「ハリポタ効果」とも言える来場者の増加は、大阪府や関西全体への経済効果も大きい。同エリアの長期的なヒットにより、今後10年で関西一円に約5兆6千億円の経済効果が出るとの試算もある。実際に、大阪・神戸エリアのUSJ提携ホテルやバス会社などは、この夏休み一気に予約が増えている様子だ。今後の増客を見込み、改装や増室を急ぐホテルも増えているという。
もうひとつ期待されているのが雇用の創出だ。広大なエリアでアトラクションサービスを提供するため、USJで働くキャストの増加はもちろん、近隣地域の宿泊施設や飲食施設の充実、工事点検などに関わる業者など、長期的に多くの雇用を生み出すと見られている。USJのグレン・ガンペル社長も「このエリアだけでもテーマパークといえるくらいの壮大な規模。これから何十万の新規雇用を生み出し、また世界各国から何百万人もの人を呼びたい」と話している。
ハリー・ポッターによるUSJの集客増加だけでなく、あべのハルカスの開業などもあり、波に乗っている感のある関西・大阪だが、今後の課題はそうした観光客の増加を支える宿泊施設や交通の整備だろう。東京に比べると、まだそうした面で選択肢が少ないことは否めない。しかし、上手く行けば東京にはない関西の文化やグルメなどをよりアピールできるチャンスとも言えるだろう。ハリー・ポッターがどこまで関西に魔法をかけてくれるか、その効果に注目だ。(編集担当:久保田雄城)