ヤマハ発 150ccスポーツモデルを世界最大のインド市場で販売
2014年7月20日 20:55
ヤマハ発動機<7272>が、新開発の空冷150ccエンジンを搭載したスポーツモデル「FZ」シリーズの新製品「FZ」「FZ-S」を、2014年7月から世界最大のインド市場などで販売を開始する。
インドは2012年に中国を抜いて世界第1位の二輪車市場にまで成長してきた。年間総需要は約1,400万台強(2013年/ヤマハ調べ)となり、その中でも150~180ccのスポーツタイプの二輪車が約10%を占めている。また、中南米などインド国外への輸出も多く、新興国ではスポーツモデルを好む傾向があり、さらに近年のガソリン価格高騰もあり、燃費への要求も高まってきている。その要求に応えるモデルが、今回発売される新「FZ」シリーズだ。
価格は「FZ」が76,250インドルピーで、メーターバイザー付きの「FZ-S」が78,250インドルピーとなり、日本円に換算すると13万円弱。インド国内では2種合計で年間13万8000台の販売を計画し、製造および、インド国内での販売はグループ会社のIYM(India Yamaha Motor Pvt.Ltd.)が行なう。ヤマハではインドにおける二輪車事業の加速を図るためにも、新工場をインド・チェンナイに建設中で、販売面としては都市部から地方部へと市場・顧客開拓を進めている。
余談だが、150ccと聞くと、日本の車両区分としては中途半端な排気量だと思った人も少なくないはず。150ccは軽二輪(125超~250cc)となり、125ccまでの原付第二種とは必要となる免許の種類が違ってくる。だが、ヤマハでは155ccのスクーター「MAJESTY S」を台湾生産し、すでに日本国内でも販売している実績がある。軽二輪車は経済性も高く、高速道路も走行できるのが人気の理由のひとつでもあり、国内の軽二輪市場は、2012年、2013年の登録台数が伸長であることから、2014年度も引き続き6万台(前年比101.7%)の需要と見込まれる。
現在、ヤマハでは400cc以下のスポーツモデルは、ロングセラーである「SR400」の他、アメリカンやオフロードモデルしか国内販売していない。かつては、ヤマハを代表するスポーツモデルのひとつであった「RZ」シリーズに、「RZ50」「RZ125」「RZ250」「RZ350」と、排気量別にラインナップされていた時代もあった。発売されたばかりの「MT-07」の兄貴分として「MT-09」があるように、さらに「MT-04」「MT-025」「MT-012」などの兄弟車が誕生したら面白い。(編集担当:鈴木博之)