金やウランは中性子星の合体で作られた可能性が高いことが明らかに

2014年7月18日 14:53

 理化学研究所と京都大学による研究グループは、金やウランなどの重い元素は、中性子星が合体した時に作られた可能性が高いことを明らかにした。

 ビッグバンによって宇宙ができた当初は、水素やヘリウムだけの軽い元素しか存在していなかったが、星の中の核融合反応によってさらに重い元素が作られた。しかし、鉄よりも思い元素はどのようにしてできたのかが解明されていなかった。

 今回の研究では、スーパーコンピュータによって2つの中性子星が合体するシミュレーションをおこなったところ、合体の際に放出される物質には中性子が多く含まれているため、鉄よりも思い元素が次々と作られることが明らかになった。さらに、シミュレーションによって得られた重元素組成は太陽系での実際の観測値を再現しており、中性子星合体によって金やウランが作られた可能性が高いと言える結果となった。

 今後は、岐阜県の神岡鉱山に建設中の「KAGRA(かぐら)」をはじめする次世代重力波検出装置によって、1年に数回発生する中性子星合体を直接観測することが期待されている。

 なお、この内容は米国科学雑誌「The Astrophysical Journal Letters」に掲載された。

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