豊田通商と近畿大学、クロマグロの人工種苗量産化に向けて提携強化
2014年7月16日 19:00
豊田通商と近畿大学は16日、共同で水産養殖事業の推進に関する覚書を締結したと発表した。既に結んでいた提携を強化し、クロマグロの人工種苗の生産事業や海外での事業化に本格的に進出するという。
豊田通商と近畿大学は、2010年7月にクロマグロの完全養殖事業の技術協力提携を結び、世界初となるクロマグロの中間育成事業を進めている。今回の提携強化では、中間育成事業を行っている長崎県五島市に豊田通商が100%出資する新会社「ツナドリーム五島種苗センター」を設立した。同社に近畿大学の技術員が出向して技術を継承するという。
これによって、量産化を可能にするとともに、これまで課題であった輸送中の稚魚死亡リスクを軽減させるなど、完全養殖クロマグロの生存率向上に貢献するという。
また、海外の天然資源保護、人工種苗へのニーズの高まりやマグロ以外の魚種に対する需要に貢献するため、他魚種の完全養殖・海外での完全養殖についても、近畿大学の技術を生かし事業化を検討していくという。
クロマグロは、水産庁が天然小型クロマグロの漁獲量を半分に削減することを決定するなど、漁獲規制の強化が進んでいる。