アンタレスロケット、シグナス補給船の打ち上げに成功 ISSへの補給物資を搭載

2014年7月15日 22:00

 オービタル・サイエンシズ社は14日、シグナス補給船運用2号機(Orb-2)を搭載したアンタレスロケットの打ち上げに成功した。シグナスOrb-2には国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を届ける。ISSへの到着は16日に予定されている。

 アンタレスは米東部夏時間2014年7月13日12時52分(日本時間2014年7月14日1時52分)、米ヴァージニア州のNASAワロップス飛行施設内にある、中部大西洋地域宇宙港(MARS、Mid-Atlantic Regional Spaceport)の0A発射台から離昇した。ロケットは順調に飛行し、約10分後にシグナスOrb-2を高度190 x 290km、軌道傾斜角51.6度の軌道に投入した。その後、太陽電池パドルの展開などにも成功、今後徐々にISSへ近付いて行き、7月16日19時39分頃(日本時間)にISSのハーモニー・モジュールに到着する予定だ。

 シグナスはオービタル・サイエンシズ社が開発、製造する無人輸送船で、ISSへの補給を担う。その設計はスペースシャトルで使われていたコンテナ、多目的補給モジュールが基になっている。

 船内には1,493.8kgの食料や、ISSで使われる機器や実験装置、ISSから放出するための超小型衛星などを搭載。ISSに結合した後は、滞在中の宇宙飛行士らによってこれらの物資がISSに搬入される。またそれと入れ替えにISSで発生したゴミが積み込まれる。シグナスはISSに約30日間滞在し、1,340kgのゴミを抱えて離脱。そして大気圏に再突入し、ゴミもろとも焼却処分される予定だ。

 今回の打ち上げはNASAとの商業補給契約(CRS)に基づく2回目のミッションで、初ミッションは今年1月に行われた、成功に終わっている。CRSミッションは今回を含めて全8回が計画されているが、ISSの運用が2024年まで延長される見通しであることから、それに伴いミッションは増やされることになろう。

 なお、今回のミッションはもともと5月に計画されていたが、4月のファルコン9に搭載されたドラゴンCRS-3の打ち上げの遅れや、アンタレスの第1段に使われるロケットエンジンの燃焼試験の失敗と、その原因調査のため、今日まで遅れたという経緯がある。

 アンタレスの打ち上げは今回で4機目となり、アンタレス120としては2機目となる。アンタレス120では、第2段の固体ロケットモーターが、キャスター30Aからより強力なキャスター30Bへと換装されており、最初の2回で使われたアンタレス110に比べ、打ち上げ能力が強化されている。

 またシグナスの4号機(Orb-4)からは、搭載能力を2,000kgから2,700kgまで向上させた、増強型のシグナスが使われる予定となっており、それに合わせてアンタレスも第2段により強力なキャスター30XLを搭載し、打ち上げ能力をさらに向上させたアンタレス130がデビューする予定だ。

写真=NASA。

■ Orbital Successfully Launches Antares Rocket Carrying Cygnus Spacecraft on Cargo Resupply Mission to International Space Station
https://www.orbital.com/NewsInfo/release.asp?prid=1906

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