NYダウ急伸を経済・証券ジャーナリストの忠田公夫氏に聞く

2014年7月15日 12:00

■イエレン議長が今夕、金融政策継続の議会証言、中国の米国・国債購入

 14日(月)のNYダウは終値で111ドル高の1万7055ドルと急伸、1万7000ドル台を回復した。とくに、場中値では1万088ドルまであり高値を更新した。この動きをどうみるか、アナリストであり経済ジャーナリストストの忠田公夫氏に聞いた。

――NYダウの急伸の理由について。

 【忠田氏】 イエレン議長が取材等で金融政策継続談話が伝えられたことです。今夕からの上下両院での議会証言で恐らく、同様の発言になるだろうとみられています。

――量的緩和ということですか、それともゼロ金利ということですか。

 【忠田氏】 毎月100億ドルずつ、市場から国債等の買上げを行っていますが、今年10月に150億ドル買い上げ、これで買い上げは終了し、量的面での緩和はこれで打ち止めです。しかし、直ちに金利引き上げは行わず、当面は「ゼロ金利」を続けるということです。

――なぜ、この時期にゼロ金利継続の発言ですか。

 【忠田氏】 振り返って、イエレン議長が就任のとき、うっかりというか、量的緩和終了後6ヶ月以内に金利引き上げすると発言された。この、「うっかり発言」を打ち消したいためと思われます。マーケットに対しフレンドリーなスタンスを強調したい狙いだと思います。

――しかし、このところのマーケットは、ダウが1万7000ドルを割り込み利上げを織込み始めていますが。

 【忠田氏】 7月30日に発表の米GDP4~6月の発表がポイントになります。先の好調な雇用統計に続いてGDPも好調という数字となれば、マーケットはやはり利上げを警戒する動きになるとみています。

――忠田氏は7~8月の間にNYダウは高値を打つという見方でしたがいかがですか。

 【忠田氏】 仮に、GDPの数字が良かったとしてもNYダウが高値をつけることにはならないと思います。物価上昇率が1.5%ていどとまだ心配する水準ではなく、平均賃金も年率で2.0%ていどです。直ちに、インフレを心配して金利引き上げをする段階ではないとみています。それに、最近中国が米国・国債を買っているようで、国債金利がすぐに上がることはないと思います。したがって、NYダウのピークは10月までに期間を延ばしてみています。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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