大きくなりました。が、大幅なダイエットにも成功 燃費も高水準の新型メルセデス・ベンツCクラス日本上陸
2014年7月12日 21:27
今年1月の米デトロイトで行なわれた「北米自動車ショー」でワールドプレミアとなったメルセデス・ベンツCクラスが日本上陸を果たした。
エクステリアデザインは、写真で見るとあたかも同ブランド最上級モデルSクラスと見まがうほどの伸びやかなセダンボディだ。そのボディサイズは全長×全幅×全高4690×1810×1445mm、ホイールベースは2840mmだ。従来比で95mm長く、40mm広く、高さは同じだが、ホイールベースは80mmも拡大した。
グローバルなDセグメントとして現在の標準といえるディメンションだが、国産の代表トヨタ・クラウンの4895×1800×1450mm、ホイールベース2850mmと比較すると、全長以外ほぼオーバーラップする。ちなみに、ホイールベースの大幅な延長は後席居住性に貢献している。なお、またボディデザインにおいて徹底した空力特性最適化を実施し、Cd値は0.24というクラス最高水準を実現した。
ボディはサイズアップしたが、車重は逆に減った。C180モデルで1490kgと先代比10kg減の大幅なダイエットに成功した。その理由はボディモノコックだけで先代に比べて70kgの減量が効いている。これは、ボディモノコックのアルミニウム使用率を量産車としては異例に高い約50%としたことによって達成できた。これが新型の最大の特徴である。アルミニウムと超高張力(ハイテン)鋼板を随所で組み合わせ画期的な軽量高剛性「アルミハイブリッドボディ」を完成した結果である。因みに前述のクラウンの車重は1630kg(ガソリン・アスリートS)である。
新型のコンセプトに掲げた“アジリティ”、つまり「機敏・軽快」に大きく寄与するのが新採用4リンク式フロントサスペンション。リアは伝統的なマルチリンク式。それらをモデル別にチューニングして「アジリティサス」「スポーツサス」そしてCクラス初のエアサスである「エアマティックサス」が装着される。
搭載エンジンは当面2種、1.6リッター直4ターボと2リッター直4直噴ターボだ。前者はC180に搭載され、その出力&トルクは156ps/5300rpmと25.5kg.m/1200-4000rpmとなる。C200アヴァンギャルドに搭載する後者2リッター版は184ps/5500rpmと30.6kg.m/1200-4000rpmだ。2リッターエンジンには、この秋販売予定のC250用となる211ps/5500rpmと35.7kg.m/1200-4000rpmの高チューン版も存在する。この高チューニングターボは日産スカイライン搭載エンジンとほぼ共通のユニットだ。
組み合わせるトランスミッションは全グレード7速オートマティックで、4つのドライビングモード「コンフォート」「エコ」「スポーツ」「スポーツ+」が選択できる。それぞれのモードに応じて、アクセルレスポンス、トランスミッションのシフトポイント、ステアリング特性、サス特性(AIRMATICアジリティパッケージ装着車)などのパラメーターを変化させる。さらに、「インディビデュアル」モードでは、それらをドライバーの好みに設定して オリジナルのモードを作ることができる。
これらにより燃費は先代比で最大30%以上向上しており、JC08モード燃費はC180で17.3km/リッター、C200アヴァンギャルドで16.5km/リッターを達成した。結果、エコカー減税100%免除となる。
メルセデスがもうひとつコンセプトに掲げた「インテリジェンス」とは、言ってみれば「現在考え得る最上級の安全性能」で、そのすべてをここに記すことは難しい。簡単に述べるなら、メルセデスの安全性追求の哲学をすべて投入したということ。ドライバーの疲労の抑制が安全運転に貢献するという思想に基づいた安全性と快適性を追求した「インテリジェントドライブ」と呼ぶ安全運転支援システムである。現行型Sクラスに導入された最新技術の多くが搭載されている。
気になるラインアップと価格は、C180が419.0万円、C180アヴァンギャルドが467.0万円、C200アヴァンギャルドが524.0万円、C250スポーツ(2014年秋納車予定)が644.0万円で、全車右ハンドル仕様となる。(編集担当:吉田恒)