介護の悩み「尿臭」に花王が先手 専用洗剤を製品化

2014年7月5日 15:36

 介護の悩みの中でも、多く寄せられているのが「尿臭」に関するものだ。そんな悩みにいち早く対応してみせたのは花王<4452>だ。同社は、これまで必要とされていながら一般的には流通していなかった尿臭対策の洗濯洗剤と消臭スプレーを、初めて製品化した。9月27日からの販売を予定している。

 尿臭に対する悩みは、介護に関わる人にとって深刻な問題だ。「洗濯を二度洗いしても、臭いがとれない」「10種類以上の薬を飲んでいるためか、尿の臭いがかなりきつい」「尿が付いたズボンのまま部屋を移動するので、じゅうたんやソファーにも臭いがつく」「家中に尿の臭いが染みついている気がする」など、介護現場では尿臭対策を求める声が多数ある。

 このような要望に応える形で製品化されたのが「アタック 消臭ストロング」と、消臭スプレー「リセッシュ除菌 EX 消臭ストロング」だ。花王の独自配合による成分が、尿の臭いを消して、尿臭の発生を抑制するという。同商品は介護の必需品として消費者の認識を広げていけるよう、大人用オムツなどの介護用品売り場に置かれる予定だ。販売価格は、洗濯洗剤、消臭スプレーとも、500円前後になる見通しで、詰め替え用はおよそ400円となる。通常の「アタック」シリーズなどに比べて1割ほど高くなるが、花王は介護向け洗濯洗剤などの需要が今後さらに拡大していくと考え、3年後には100億円規模の市場に成長すると見込んでいる。

 介護関連事業は今、成長市場として見られている。介護業界に新規参入する異業種企業も増えており、教育関連事業のベネッセ<9783>や、外食事業のワタミ<7522>、オフィスコーヒーのユニマット<9707>などが挙げられる。中でも、医療事務の教育事業を手掛けるニチイ学館<9792>は、1996年から在宅介護サービス事業を開始。総合的なヘルスケア事業に発展させ、現在では介護関連事業でトップの売り上げを誇っている。花王も、今回の尿臭に対応する新製品事業で、国内シェアの大部分を占めたいと意気込みを見せている。(編集担当:久保田雄城)

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