自然災害リスクを考慮した旅程を いざというときは「取りやめる勇気」も

2014年7月5日 23:41

 旅行総合情報サイト「旅行のクチコミサイト フォートラベル」によれば、旅行者の4人に1人が台風や大雪、豪雨など自然災害で旅程に影響を受けていた。地域や季節によっては自然災害のリスクが高まることもあり、事前に十分情報収集をしたり、いざというときにはキャンセル料を覚悟しても「旅行を取りやめる勇気」を持つことが重要だ。

 フォートラベル会員(有効回答数:1122件)を対象に今年3月に調査したもの。

 国内旅行中に自然災害により、旅程の変更・中止等を経験したことがある人は24.1%。4人に1人は自然災害による旅程の変更を経験していた。遭遇した自然災害の内容は、もっとも多かったのは「台風」で約半数。続いて「大雪(36.2%)」「豪雨(18.4%)」となっていた。

 「台風」は発生頻度の高い沖縄方面が多く、影響としては「飛行機の遅延・欠航」が圧倒的に多かった。旅行先での移動というより、旅行計画そのものの見直しを余儀なくされた人がほとんどだ。「大雪」は北海道に多い。影響の範囲としては「飛行機の欠航・遅延」が多いが、バスやマイカーなどの「車」や、新幹線・特急などの「列車」を挙げる人もいた。

 「豪雨」は、エリアを問わず発生する可能性があるためか、特徴的なエリアの分布はみられない。また、一過性の豪雨の場合は「観光をせずに、昼食をとった店でしばらく過ごした」等、影響の範囲が狭く、短時間なケースがあるのも特徴だ。

旅行者のコメントでは、「沖縄方面の旅は常に台風のリスクを意識している。万一の際には出費を躊躇せずに代替便を手配する」「大雨の時期には旅行を避けている」というように、予め旅行先の気候を織り込んで旅行を計画し、万一の際の対応も意識しているという声が多く聞かれた。

 「旅行を取りやめる勇気を持つことが大切」という回答もみられる。せっかくの旅行ではあるが、安全のためには潔く旅の計画を変更する決断力が大切なようだ。その際にネックとなる“キャンセル料”だが、コメントでは「キャンセル料がかかる時期だったので旅を強行。結局現地で身動きが取れず、キャンセルすればよかったと後悔した」という声も多い。

 調査では、キャンセルをしたものの旅行代金が返金されたり、追加なしで日程や旅程を変更できたケースもあった。基本的に旅行者の申し出による場合はキャンセル料がかかるが、災害の状況によって配慮があることも少なくない。また旅行者自らが状況に応じて連絡等をすることで、キャンセル料が軽減となることもあるという。自然災害リスクが高まる時期には、適切な判断ができるように、情報を収集しておくのがポイントといえそうだ。

 自然災害遭遇時に持っていて役に立った、または、あれば良かったと思ったグッズは、携帯電話・スマートフォン・タブレットなどの端末や、「充電器(予備電源)」を挙げる人が多い。情報収集手段として、スマートフォンなどの端末と、さらには電源が確保できるかどうかが肝心だ。夏に向けてたのしい旅行を計画する人も多いが、事前に十分情報収集し、万が一の自然災害にも混乱することなく対応してほしい。(編集担当:横井楓)

関連記事

最新記事