三菱樹脂、中国無錫市に太陽光利用型植物工場の合弁設立
2014年7月3日 19:27
三菱樹脂の子会社で太陽光利用型植物工場を展開する三菱樹脂アグリドリームは、中国無錫市の無錫三陽社と合弁で、同植物工場の栽培システムの販売会社を設立し、3日に現地で開業したと発表した。
無錫三陽社は、中国江蘇省の農業協同組合チャイナコープ社の子会社で、合弁会社は無錫菱陽社。資本金560万人民元(約1億円)で、三菱樹脂アグリドリーム60%、無錫三陽社40%の出資比率である。
三菱樹脂アグリドリームは2011年11月に、チャイナコープ社と共同で、無錫三陽社に太陽光利用型植物工場の実証設備(1000平方メートル)を建設し、栽培試験と現地スーパーでの販売を通じたマーケティングを進めてきた。その結果、植物工場で栽培する無農薬野菜に対するニーズを確認、事業採算を見込めると判断したため、同植物工場の栽培システムの販売及びその後の技術サービスの合弁会社設立に踏み切った。
太陽光利用型植物工場は、苗を人工光による完全閉鎖型苗生産設備 (苗テラス)で育てるが、その苗を高機能性フィルム(被覆材)を使用した農業ハウス内に移し、太陽光を利用しながら養液栽培システムによって、ほうれん草、小松菜などの葉菜類を栽培する。通常の土耕栽培に比べ、高品質な無農薬野菜をより多く安定的に生産できる特徴がある。
三菱樹脂アグリドリームでは、9月に無錫三陽社に、顧客に販売する規模の3000平方メートルの植物工場を設置し、モデルケースとして提案するほか、2017年までに、現地の農業経営者などを対象に50システムの販売を目標としている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)