【村山貢司の気象・経済歳時記】今年は冷夏予想が一転して猛暑の可能性強まる
2014年7月2日 16:21
一時、今年の夏はエルニーニョの影響で冷夏になると報道されたが、最新の長期予報では冷夏の可能性は小さくなった。確かにエルニーニョ現象は進行中であるが、日本への影響はあったとしても秋以降になりそうだ。
現在、フィリピンから東南アジア、インド洋にかけて非常に発達した雨雲が広範囲に広がり出している。このようなパターンではこれらの雨雲の北側で高気圧が発達するために、日本は猛暑になる可能性の方が高いのである。現在の長期予報では7月は平年並みかやや高めの気温であり、8月は西日本は猛暑、東海から北の地方は平年並みの予想になっている。平年並みの予報といっても、平年値そのものが昔より高くなっているために、かなり暑い夏になりそうだ。
猛暑になれば、夏物の需要が増大し、国内で動くお金の量が増加する。特に7月中から暑くなれば、エアコンなどの夏物家電や、夏物衣料の動きが良くなる。さらに冷たい飲料やビール類の売り上げが伸びると、陽気の材料であるアルミ業界、飲料を輸送する運輸関係にも良い影響を与えることになる。好天の夏は人の動きも良くなり、旅行業、鉄道、航空など多くの業界が潤うが、人が動くとマイナスになるのが書籍やCDなどであり、暑いと需要が落ち込むのがガスである。しかし、全体的には日本経済に良い影響を与えるために、予報どうり暑い夏が望まれる。(気象予報士・経済評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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