ポルトガルとブラジルの水処理事業に初参画 丸紅と産業革新機構
2014年6月27日 16:41
丸紅と産業革新機構(INCJ)は25日、共同でポルトガル最大手の水処理事業会社AGS(Administração e Gestão de Sistemas de Salubridade)社の全株式を買収し、ポルトガル及びブラジルの水処理事業に日本企業として初めて参画すると発表した。買収後の出資比率は丸紅・INCJ各50%。
AGS社はポルトガルで16社、ブラジルで3社を傘下に持ち、両国で約150万人に上下水処理サービスを提供している。今回、丸紅とINCJは、スペイン大手建設会社サシル・バジェエルモッソ社傘下のポルトガル子会社ソマグ・アンビエンテ社よりAGS社の株式を取得した。
ポルトガルでは、国内の水処理事業を自治体から順次民間に委託(コンセッション)する計画を進めている。現在のところ民間委託は10%程度に留まっているが、今後、コンセッションを通じた水処理事業の民営化はさらに進むと見られている。
ブラジルでも同様に、民間への事業の開放に向けた法整備が進んでいることから、両国ともに、水処理事業で将来性の高い市場と判断されている。
丸紅はすでにチリやフィリピンで水処理事業会社を買収あるいは出資し、南米・アジア地域で、上下水道のフルコンセッション事業を展開している。同社はこれらの事業経験による豊富なノウハウを活かし、AGS社の事業運営に当たるとともに、AGS社で開発を進める先進的な上下水施設管理システム(アセットマネジメントシステム)を丸紅の所有する他の水処理事業会社に導入し、効率的なグループ事業運営を行っていきたいとしている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)