コンビニコーヒー、支持される理由は「味や香り」ではなく○○

2014年6月25日 12:27

 13年にセブン‐イレブンが100円コーヒーを導入して以来、コンビニ業界は「コーヒー戦争」の様相を呈している。セブン‐イレブンの「セブンカフェ」は累計4億5000杯を突破。これに負けじと、サークルKサンクス、ミニストップ、ファミリーマートやローソンも、次々と「カウンターコーヒー」事業をテコ入れしている。マスメディアが各社の差別化戦略を頻繁に取り上げ、「コンビニコーヒー」は『日経トレンディ』が選ぶ13年のヒット商品ランキングで第1位に。社会現象となった「コンビニコーヒー」は、消費者の需要や意識にどんな影響を与えたのか。

 クロス・マーケティングが今年6月、首都圏に住む20~59歳の男女2203名(パート・アルバイト・専業主婦・学生・無職を除く、週に1回はコーヒーを飲む人)に調査したところ、コーヒーを飲む頻度が1年前に比べて「増えた」人は全体の17.1%、「減った」が7.3%、「変わらない」が75.6%だった。「増えた」が「減った」を10ポイント上回っている。

 コーヒーのタイプ別に「1年前と比べて飲む頻度がどう変わったか」尋ねた結果、コンビニコーヒーでは唯一、「増えた」との回答が多かった。一方、1年前と比べて「減った」割合が高いのは、「(スターバックス・ドトール等)コーヒーチェーンのコーヒー」「缶コーヒー」「ファストフード店のコーヒー」「個人経営のカフェ・喫茶店のコーヒー」などとなっている。コンビニコーヒーがこれらの顧客を一部、取り込んだ可能性は大きい。

 ただ、コンビニコーヒーは「味や香りがいい」「最も好きだから」などの理由で選ばれているわけではない。好きなコーヒーの1位は「(スターバックス・ドトール等)コーヒーチェーンのコーヒー」(28.5%)で、「コンビニのカウンターコーヒー」は6.8%と少数派。缶コーヒー(10.8%)よりも低い。「味が良い」「香りが良い」といったイメージを持つ人も、それほど多いわけではない。にもかかわらずコンビニコーヒーが売れるのは、値段の安さや、ついで買いができるといった利便性が支持されているからだろう。(編集担当:北条かや)

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