東芝がリヨン市で住宅内エネルギーモニタリングシステムとCMSの実証を開始
2014年6月20日 11:02
官民による地域エネルギー利用の効率化への取り組みが盛んだ。今回も東芝とNEDOがフランスで実証実験を開始する。
東芝<6502>と東芝ソリューションは、経済産業省の補助により独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行う「フランス・リヨン再開発地域におけるスマートコミュニティ実証事業」において、住宅内エネルギーモニタリングシステムとコミュニティマネジメントシステム(CMS)の実証を開始する。
今回の実証では、リヨン市再開発地域内にある既存の公営住宅施設において、分電盤や水道メーター、ガスメーターに計測ユニットを設置し、宅内の電気、水、ガスの使用データを測定。各家庭に配布するタブレット端末に家庭全体の電気、水、ガスのエネルギーの使用情報や各家電機器の消費電力を可視化するほか、省エネルギーのアドバイスを提供することで、住民の環境に対する意識を高めて、省エネ行動を促し、その効果を検証する。
また、昨年10月から同実証事業の一環で運用を開始している太陽光を活用した電気自動車のカーシェアリングシステム、住宅内エネルギーモニタリングシステムの情報をとりまとめて、実証地域全体のエネルギー利用状況を可視化、実証地域のスマートコミュニティ化をサポートするCMSの運用も開始する。
さらに、来年春に竣工予定のポジティブ・エネルギー・ビルディング(PEB)や再開発地域の既存のビルからもエネルギー情報を取りまとめる計画だ。CMSでは、集約された様々なデータを元に地域でのエネルギー利用状況を分析し、グランドリヨン(都市共同体)とともに地域エネルギー利用の効率化につながる都市計画、政策の検討に活用することを検証する。
この実証事業は、NEDOによる欧州初の実証プロジェクトであり、EU加盟国が目標に掲げている「EU環境施策20-20-20」の5年前倒しとプロジェクト対象エリアのゼロエミッション化を目指す。日本企業群の技術を活用し、国際的なエネルギー消費の効率化の実現に寄与するものであり、東芝グループは日本側の取りまとめ企業として受託した。
東芝グループは、この実証事業で得られた成果を活用し、今後も各国政府や自治体との連携した地域ソリューションをグローバルに展開していくとしている。(編集担当:慶尾六郎)