【雑感】STAP細胞=小保方問題におけるiPS騒動男こと森口尚史氏の説得力
2014年6月18日 15:12
【6月18日、さくらフィナンシャルニュース=東京】
iPS細胞を用いた世界初の心筋移植手術を行ったなどの虚偽の発表で、以前物議をかました森口尚史氏が、3月の時点で、探偵ファイルで発表していた「理研記者会見に向けて小保方さんに伝えたいこと」と題する記事が、いまさらながら、巷では静かに高い評価を得ているようである。
森口氏は、小保方氏の記者会見について、「私の経験上、視聴者に更なる誤解を与えるだけである。いくら説明しても真意が全く伝わらないだろう。残念ながら多くの視聴者や報道が見たいものは「彼女の釈明・謝罪、涙」なのである」などと言及して、記者会見が意味がないとしたうえで、「それよりも今、事実解明のために必要なことがある。それは、頑なに存在を主張する「マウスSTAP細胞・マウスSTAP幹細胞」の細胞株と、それらの細胞株で創られたキメラマウスを複数の第3者機関に配布供与して徹底的に調査してもらうことである。このことは問題が公になった2月半ばにすぐに理研CDBがすぐにやるべきことであった。調査の結果、「正確性」や「事実」が確かめられれば巨大な逆風は最小限で防げたはず(ただ、もし上記のことができないなら、その時点でアウト)」などと、騒動の中で、適切なコメントを行っている。
事実上、嘘の発表をして世間を騒がせたということは、そういったことを行う人間の動機や手口には、経験に裏付けられた深い理解や洞察力があるということで、他の企業に攻撃を仕掛けて成功したり、逆に訴訟を受けたりしているハッカーを、米国のネット企業が採用しているように、森口氏や小保方氏は、理化学研究所などの大組織で、研究者の不正を監視したりする役回りとしては、最適なのかもしれない。【了】
やまぐちりょう/経済評論家
1976年、東京都生まれ。東京大学卒業後、現在、某投資会社でファンドマネージャー兼起業家として活躍中。さくらフィナンシャルニュースのコラムニスト。
年間100万円以上を書籍代に消費するほど、読書が趣味。