「エスキモーダイエットは心臓疾患になりにくい」というのは間違った認識だった?
2014年6月18日 07:00
danceman 曰く、 グリーンランドのエスキモーは冠状動脈疾患(CAD)の発生率が低いという。一説にはこれはエスキモーの食事のためともされているが、これを覆す論文がCanadian Journal of Cardiologyに掲載されたとのこと(MPR、Slashdot)。
オタワ大学心臓研究所のGeorge J. Fodor氏の研究チームが過去に発表された研究論文を再調査し、エスキモーやイヌイットの人達と白色人種の人達との間でCADの疾病率に違いがあるかどうかを調べた。すると、CADの有病率および、CADのリスク要因について調べた研究論文は一つしかなく、これによれば、イヌイット、アメリカ人、ヨーロッパ人の間で、疾病率はほぼ同じであったとのこと。また、大概の研究では、グリーンランドのエスキモー、カナダ及びアラスカのイヌイット、そしてエスキモーでない人達との間に、CADの疾病率にほとんど違いは見られないと結論づけているのだという。
つまり、多数の論文を再調査した結果、「エスキモーの人達のCAD疾病率は、エスキモーでない人達と大した差がない」ことが分かったのである。エスキモーの人達は食事を通してオメガ3脂肪酸を豊富に摂取しているため心臓疾患になりにくいとする論文はこれまで5000以上も発表されているとのことだが、これが前提から間違っていたことになる。
伝統的なエスキモーの人々の食事は生肉や生魚を主食とし、穀類をあまり食べない。海外ではこれを「エスキモー式食事療法」として健康食として実践する人々もいるようだ。
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